嫌な事全てから逃げている。と気付くには早く、嫌な事に立ち向かおう。と言う気持ちを持つには、十分に遅かった。
−−−−−
「ウルキオラ」
薄暗い廊下に響いたのは、ウルキオラを呼ぶ萌苗の声。
ウルキオラが谺する声の中心を探り振り返れば、ゆっくりと歩きながらこちらへ向かう萌苗の姿があった。
「萌苗か」
「そっちは会議終わった?」
「あぁ」
「良かった、こっちも終わっ…」
あと数十m距離で萌苗はピタリと止まる。
「…?どうした」
「う、ううん。何で二人が一緒に居るのかと思って…」
丁度ウルキオラの姿を確認出来る距離まで来た時、その後ろにグリムジョーの姿が見え、数分前の出来事を思い出して固まってしまった萌苗。
当の出来事を起こした張本人は、気にしている様子も無く、ただただ萌苗の方を見ている。
「たまたま一緒に出てきただけだ」
「そう」
「…で?何の用だ」
「あ、織姫の着付け…終わったから報告に」
「そうか。一緒に来るか?」
「ううん。でも後でそっちに行く」
「分かった」
一言二言返事を返した程度で、ウルキオラはスタスタと萌苗の横を通り過ぎてしまった。きっと織姫の様子を見に言ったのだろう
「…さっきは随分動揺してたじゃねぇか。もしかして、さっきの事意識してたのかよ?」
「そんな訳ないじゃない。ウルキオラしか居ないと思ってたら、グリムジョーも居てビックリしただけ」
薄暗い廊下に二人きりになった途端、グリムジョーは喉をクック と鳴らし、萌苗に喋りかけた。投げ掛けられた言葉に 萌苗は少々カチンときながらも、冷静さを保とうとする。
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