「ハッ、そうかよ。…言っとくが、さっきの俺の気持ちは嘘じゃねぇ」
「……」
「俺ぁ 一護みたく回りくどい事も、ウルキオラみたく小細工かますのも面倒せぇ。……だからよ」

カツカツと音を発て近寄ってくるグリムジョーから先程の出来事がフラッシュバックし、逃れたいと思ってしまった。しかしそれは、彼の事を意識しているとあからさまに言っている様で、萌苗はその場を動けなかった。
動かない萌苗を良い事に、グリムジョーはやや下を向いている萌苗の顎を、グイと自分の方へ向かせる。

「アイツをお前の前で消してやる」
「!!!」
「そうすりゃ、お前だって未練なんざ無くなるだろ。お前はアイツが居るから弱いまんまなんだ。お前が弱いまんまだから、アイツに「自分を殺してくれ」って頼んだんだろ?」
「っ!何で、ソレをっ…!?」
「さぁな」

目を丸くした萌苗を見て、グリムジョーはまた意地の悪い微笑を見せる。そして萌苗の腕を強く引張り、自分の腕の中へ納めた。

「っ!グリム」
「お前が弱いまんまだろうが強くなろうが、アイツにもウルキオラにも、誰にもお前の死は渡さねぇ。お前が生きる権利も死ぬ権利も 全部俺の物にしてやる」
「そんな事言うのはやめて。大体、一護はわかるけど、何でウルキオラが出て来るのよ!」
「…お前本当に鈍感だな」
「五月蠅いっ」

咄嗟に萌苗は拘束されていない手で刀を探り柄を強く握ると、半円を描く様に身体を捻って振りかざした。だが、ソレをいち早く察知したグリムジョーは、ヒラリと躱し萌苗との距離を取った。その顔には、依然笑みが張り付いている。

「…教えてやんねぇよ。そんなもん、分かんねぇ奴に教えたって意味無ぇからな」

距離を保ったまま、一言すぱっと言い放ち、そのままグリムジョーは踵を返して萌苗から離れていった。

「…何なのよ」

強引に引き寄せてはあっさりと離れていってしまう一定の『波』に、##nam e1##は戸惑ってしまう。

彼の言葉が本当に「嘘じゃない」のかが、分からない。




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