まさか、堅く決意した事があっさりと砕けてしまうとは思ってもみなかった。

会わせてやると言ったのは、彼の策略からか、それとも……。


−−−−−


付いて来い。そう言われて付いて来た先は監視室。
此処に何の用があるんだろう、何がしたいんだろうと疑問に思っていたら、外で待機していろ と言われて、今は待っている途中。こうやって一人で待っている時は大概何かを考えていて、それは大抵一護達の事。

もう私達は敵同士という一線を引いてしまった、はずで、だから、敵の事は考えちゃいけないのに……。

(一護は無事か、なんて)

こんな処に閉じ込められている織姫よりも、一護の心配をしてしまう。私って

(馬鹿…だな)

どうしても一護に焦がれてしまって、破面の人間なのに、その中に馴染む事も出来なくて、自分はなんて弱くて中途半端なんだろう。
さっきまでの決意は何処へ行ったのだろう?

「…はぁ」
「溜め息を吐くな。こちらの気が滅入る」
「ウルキオラ」

いつの間に戻っていたのか、ウルキオラが隣りに居た。台詞の割には顔はいつも通りの無表情。
「終わったの?」と声を掛ければ「ああ」と端的に返事が返ってきたから、ごく自然に歩き出す。

「中にギンさん居たね…、二人で何してたの?」
「一々お前に報告しなればいけないのか?」
「ううん 別に…。ただ聞いてみただけ」

ウルキオラはいつもこうだ、私を連れ回すくせに何をしていたかとかは教えてくれない。恋人同士じゃなきゃ教える必要は無いって事は無いんだから、ケチケチしないで教えてくれても良いんじゃないかと思う。
そう思うとまた溜め息が出た。けど、隣りから睨まれたから急いで口を隠す。

「行くぞ。そろそろ奴もこちらに来る頃だろう」
「う、ん…」
「どうした。今更になって怖いのか?」

コ ワ イ ノ カ ?

「……うん、怖い。のかも知れない」
「……」
「でも、怖いっていってもちょっとだけだし、今更怖がったって何かなる訳じゃないから、しょうがないよね」

ははは、って力無く笑ったら、頭の上に手をぽんと置かれた。ウルキオラがこういう行動を取ったのははじめてで、私は心底驚いてしまい、驚きが顔に出てしまった。
これって優しくしてくれたと思って良いの?

「奴に逢いたくないなら来なくて良い」
「ウルキ、オラ」
「それと勝手に暗くなるのは良いが、俺の前ではなるな。面倒だ」
「な、それってどうい…っ!」

反論しようとした途端、脳内に入ってきた映像。
朽木さんがアーロニーロにやられた。否、相打ちになった映像だった。




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ココロ

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