映像が流れこんでくるのはアーロニーロ独特の能力で『認識同期』と言って、部下からでなくとも自分に直接情報が入ってくる様になっている。だから、自分がその場に居たかの様に状況が分かるのだ。
「相打ちか。存外使えない奴だったな」
小さいけれど、凜とした声と同時にウルキオラと外に出た。
眩しい。作られているにしても、青空を見るのは久しぶりな気がする。
目を細めて外を眺めて見れば、眼下には久しぶりな でも見慣れたオレンジ色が目に入った。今は私達の方が高い処に居るから、その姿は少し小さい。
その見覚えのあるオレンジは、二人がさっきまで戦っていた場所を向いたまま動く事がなかった。
「…ルキア…!?」
「気付いたか。力ばかりの餓鬼だと思っていたが、存外真面な感覚もあるらしいな」
突然にウルキオラが一護に話しかけたからビックリした。声を掛けられた一護自身も驚いて 勢い良くこちらを向いた。
まさか、正面から敵に話しかけるなんて思わなかったけど、それは自分が相手より強いという自信と確信があるから出来るんだろう。
「……て……、…てめぇは…」
「…久しぶりだ。死神」
一護はチラリと私を見たあと、すぐにウルキオラを睨んだ。頬にはうっすらと汗が伝う。
睨み合った二人の間の空気がピリピリして……というか、一護だけがピリピリしたオーラを放っていて、その間にもウルキオラはゆっくりとだが一段ずつ階段を降りていく。
ウルキオラに付いて行かなければと思う反面、一護と目線が合ってから、私の脚は凍ってしまったかの様に動かなくて、その場を動けずにいた。
やっぱりどこか、まだ恐怖と不安が心に渦巻いているんだろう。
「……て……、…てめぇは…ウルキオラ…!」
「俺の名を覚えているのか。お前に名乗った憶えは無いんだがな。まあ良い」
カッと小気味よく音をたて最後の一段を降り、ウルキオラは平然と言う。
「朽木ルキアは死んだ」
「!」
彼の仲間の死を。自分の仲間では無いからか、ウルキオラは平然と言ってのける。否、私や他の仲間が死んだとしても、彼は平然と言ってのけるだろう。
彼は、私達は、そういう生き物だ。
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