ウルキオラが一護の力に飲み込まれた。
今までウルキオラが負けたところなど見たことがない。その事実が衝撃的で、胸が早鐘を打ち叫びたくとも叫べない。
けれど、それと同時に別の感情が私を襲う。
凍ったように動けなかった脚が動くようになり、急いで二人の元へ進むと同時に増加していく。
その感情は……。
−−−−−
月牙天衝を放ち終えた途端、バンッと大きい音を立てバラバラと一護の仮面が崩れ落ちた。発動を解いた一護の息は荒い。
「い゛ぢ ご 〜〜〜〜〜〜!!!」
「…ネル…」
「うわ〜〜〜〜〜ん!!!」
「おべっ!!」
ゴドーーーン とまるで頭同士がぶつかった音とは思えぬ音を立て、そのままネルの泣き声と共に柱にぶつかり止まるまで、二人はネルの突進の威力で引きずられた。
毎回毎回、こんな小さな子供からどうしてこんなデタラメな突進力が出てくるのか、不思議でならない、と柱に全身を思いっきり打ちながら思う一護だった。
「し…死んじゃうかと思ったっス一護〜〜〜」
「ああ…。…今な」
「そんなボロボロの体でまたあんなデタラメな力使って。ムチャっス!!ダメっス!!ネルもうすごい心配スたっス!!もう…もうしちゃダメっスよ!!」
そうネルにピシャリと言われた一護は目を見張った。そしてまた ぶええええ〜〜〜〜〜!!!と泣き出したネルをあやすように頭を優しく撫でる。
その表情は先ほどとはうって変わってウルキオラとの戦いが終わったためか、とても優しいものだった。
「…悪りィ ネル…。…よし!行くか!」
「だ…大丈夫っスか!?一護!?」
「大丈夫だ…こんなトコでモタモタしてらんねえ…」
ネルの心配をよそに、ググッと全身に力を入れ、自分の体を重たそうに起き上がらせた。その時、トンっと何かが着々する軽い音が聞こえた。視線を上げると、目の前には俯いている萌苗の姿があった。
「…萌苗!良かった!今お前を迎えに行こうと思ってたんだ。俺たちと現世へ帰ろうぜ…萌苗」
「………を……」
「え?」
「お前!よくもウルキオラを!!」
萌苗の顔勢いよく上がると同時に、強い殺気があたりに広がる。
萌苗の瞳は、一緒にいて今まで一度も見たことのない紅色に変化しており、そして今まで見たことのない形相と「お前」という言葉遣いに一護は驚きを隠せなかった。
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