「萌苗っ!?」
「…萌苗さ、ま…?」

強い殺気に当てられガクガクと震えるネルを庇うように前出る一護。
その間に、萌苗は勢いよく腰に掛かっている斬魄刀を握りしめ、刀を抜こうとしていた。

「待て!萌苗!!」
「…拭え」
「止めろ萌苗」
「「!」」
「…やれやれ」

凛とした声と共に、先ほどの戦闘による大量の砂埃の中から強い霊圧が戻ってくる。
一護の心臓はドクンと強く脈打ち、まさか と思い急いで後ろを振り返る。砂埃が晴れる中で、倒したと思っていたはずのウルキオラが立っていた。
服は破れ、月牙天衝を受けた左手はボロボロだったが、その他の場所には傷一つ付いていない。

「…鞘を戻せ 萌苗。お前の力を使うまでもない」
「……ウルキオラ……。生きて、たんだ…」

はぁ、と溜め息を吐いた途端に力が抜け崩れ落ちそうになる。それをウルキオラが肩に手を回し、自分の後ろに回らせることで阻止した。そこでハッと正気を取り戻す


―今 私は 一護に何をしようとした?
ウルキオラが飲み込まれてから今までの記憶が曖昧で分からない。それにさっきの感情は、私のものじゃない、私とは別の感情だった。…何で、一体誰…?―

「…………………何…………だと…………」
「…両手を使っても止め切れんとはな……少し驚いた。今のが 全力か?」

ウルキオラが再度自分の目の前に現れたことに、一護は驚いた顔のまま何も言わずに硬直している。

「…どうやらそうらしいな……」
「残念だ」




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