情けねぇ、やられちまった。
アイツに……ウルキオラに。
こんな所で倒れたらいけないのに、織姫を…萌苗を助けなけらばいけないのに。
嗚呼、萌苗の顔を思い出そうとする度に悲しそうな顔しか思い出せないまま、そのまま暗闇が俺を包んだ。
―お前の約束守るって決めたのに、守れないかもしれない。
すまない……萌苗―
−−−−−
「治せ」
そう言い放った彼の意図が分からなかった。
何が…したいのだろうか。
「何を…言っているの?」
少し震えながらも自然と萌苗出ていた言葉。
それは、グリムジョーの言葉を、一護の怪我を治すという事を否定していた。
「あ?」
「何がしたいの?一護は…私達の敵なのよ!?」
「萌苗ちゃん?!」
萌苗の言葉に一番に驚いていたのが織姫だった。彼女の出した大きな声に今度はネルが驚く。
織姫が驚くのも無理はない。紛いなりにも、一護と付き合っているはずの人間が言う台詞ではないからだ。
もちろん、今二人が敵同士だとしても、二人の想いが同じなら、尚更。
「うるせぇ。どうしようがそんなの俺の勝手だ。それよか…お前こそ、らしくねぇ台詞吐くじゃねぇか。どういう風の吹き回しだ?」
「っ…別に」
―もう……もう良いんだ。私はもう破面の人間だ、一生元の姿に戻る事はない。それに一護はさっきから織姫やルキアちゃんの事しか心配していなかった。
きっと私の事なんて心配してないだろうし、助ける気なんて当の昔に失せてしまったに決まっている。私が一方的に打ち付けた約束だって忘れているんだろう。それにもう、彼の事を心配するのは疲れた。
だから止めるんだ、ただ、それだけ―
そんな事は口が裂けても萌苗は言う気はなかった。言えば、グリムジョーに負けを認めてしまったも同然になるからだ。
「一護は敵よ?それなのに助けようだとか……馬鹿げてると思っただけ。文句、ある?」
「…いや」
少し考える仕草をしたあと一言返したグリムジョー。
気持ちがバレてしまっただろうか。そう思うとドキリと胸が鳴った。
「…何見てんだよ。お前はとっととソイツを治せ」
ギロリと睨みを訊かせ織姫を見る。織姫も軽く睨み返してから一護の元へ歩み寄り、一護から数p離れて止まった。その間、織姫の息が一瞬止まった気がする。それと同時に、ネルも先ほど止まったと思っていた涙がまた出始めていた。
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