そう言っている間にも、織姫の治療は続く。しかし、何分経っても少しも小さくならない胸元の穴に、違和感と不安を感じずにはいられない。
拒絶出来ないその穴を前に、織姫から冷や汗が流れる。
(…ものすごい霊圧が…黒崎くんの傷をおおって渦巻いてる…。…拒絶……できない――…)
「―― 一体――、…誰が こんなこと…」
「ウルキオラよ」
今まで二人の戦いを見ていた萌苗から凛とした声が発せられた途端、グリムジョーの顔は険しくなり、チッと舌打ちが聞こえた。
「やっぱりか」
「え?」
「奴のやり口だ、奴自身気付いてるかどうかは知らねえがな。気に入った獲物には、自分と同じ場所に穴をあける」
そう言うと一瞬萌苗の方へ視線を持っていった。しかし、萌苗と目が合った途端すぐに逸らし、視線を避ける様にグリムジョーは立ち上がった。
「――思い知らせてやるさ。ヒトの獲物に手ェ出すことが、どういう報いを受けるかをな」
その時「ウルキオラ」と言う言葉に反応したのかは分からないが、ピクッと一護の手が動いた。それにこの場に居た全員が気付き、一護の元へ視線が集まる。
「………う…」
一度眉を寄せきつく目を瞑った後、ゆっくりと一護の目が開いた。
最初にネルと織姫の姿が目に入り、少し驚いたような顔をして、一護は確認するように二人の名前を呼んだ。
「…ネル……と………井上……」
「黒崎くん…!」
「いっ…いぢごっ!!!」
一護が目覚めたことで、二人の声は自然と大きくなったがその時 ガン と大きな音が響いた。
グリムジョーだ。
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