織姫の盾舜六花が空を飛び交う。当に傷が癒えた双方は背を向けていた。
グリムジョーは無言で萌苗を見つめ、萌苗はグリムジョー越しに一護を見るが、ネルの視線に合わせるように背を向けしゃがんでいる彼がその視線に気付く事はない。

「…ほら そんな顔すんなって、ネル。…井上も。心配すんな、絶対勝つ」
「……………いちご…」

瞳に涙を溜めたネルと、不安そうに立ち尽くしている織姫に対して、立ち上がりながら笑顔で力強く言い放つ。
そんな一護に織姫は驚いたような顔をし、ネルはぽつりと一護の名を呼んだ。

先ほどより不安の色が消えたネルを確認すると、グリムジョーと萌苗のもとに向き直る。その顔からは先ほどの笑顔は消え真面目な顔になっていたが、グリムジョー越しに萌苗を盗み見た一瞬だけは、悲しそうな 複雑な顔をしたのをグリムジョーは見逃さなかった。

「場所を移すぜ、グリムジョー」

一護の言葉にグリムジョーは声を発することも頷くこともなく、一護が跳ぶと追うように跳んだ。
二人が跳んだ際に発生した風圧が三人に襲いかかり、三人は風圧と砂埃から身を守るように両腕を顔の前に構え、その際にネルから小さな唸り声を上げる。次第に風圧が弱まり二人の姿が小さくなり、織姫は小さくなっていく一護の背中を、目を細めて見つめていた。

「……黒崎くん……」
「……」

織姫が一護の名を呼んだ時、萌苗はの心境はより複雑なものとなった。





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