刹那、半月を思わせる左右対称の巨大な刃の片方が、グリムジョーの左肩から腹にかけてに食い込み、血が吹き出す。
その光景はスローモーションで流れているのに、一護も萌苗も目を見開き、ただ見てることしか出来なかった。

「…ぐ…」

刃がグリムジョーの身体から離れると同時に、勢いを付けてグリムジョーの身体が地面に落ちた。刃は鎖に繋がれていたらしく、持ち主の元へ戻っていくのを一護は目で追った。

「…往生際が悪りィんだよ。さっさと死ね」
「死神(そいつ)は俺が貰う」

そう言って、大きく口を歪ませ笑うのは、左目を隠した男…ノイトラ。
ノイトラは、巨大な刀を引きずりながら、ゆっくりと一護達の元へ歩み寄ってくる。

「グリム…!」
「おっと、お前はダメだぜ萌苗」

萌苗がグリムジョーの元へ寄ろうとした刹那、再度ノイトラが斬魄刀を振りかざした。
萌苗も斬るのかと思ったが、予想とは違い柄の端に付いた飾りが萌苗の元へ飛んでくる。飾りは身体を回り込み縛り付けると、そのまま萌苗をノイトラの元へ連れ去ってしまった。
ノイトラは萌苗と密着すると、顎を掴んで無理矢理上を向かせた。

「っ!」
「萌苗!」
「お前何グリムジョー達と仲良しこよししてんだよ。あぁ?」
「別に仲良くなんか…!」
「まぁ、んなもん別に俺には関係無えが。……藍染がお前の事喚んでたぜ、早く行け」
「……」

押すように萌苗と距離を取ると、また一護達の元へと進んでいく。
萌苗はしばらく三人を見つめていたが、やがて視線を逸らして歩き出した。逸らす途中、萌苗の顔が悲しさと苦しさで歪んだのを、一護は見逃さなかった。

「萌苗、待て!萌苗!!」
「煩え死神。…おら、てめえは早く行け」

一護の言葉を聞く事はなく、ノイトラの一言を合図に、萌苗は姿を消した。




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