終.白ヤギさんと黒ウサギさんと 
白ヤギさんと黒ウサギさんと






これは……結構な美味い本を食べたんだろうなぁ。
廻らない高級寿司レベルだ。いや、食っちゃ事はないけどね。


とても目覚めのいい朝だった。

身体中から多幸感が溢れてるのが分かる。
ははは、伊江奈さんにヤバいクスリって言われたけど、今なら否定しにくいわ。

稀にあるのだ。

本を読んだ記憶が無いのに。多分、美味しすぎて白ヤギさんが本ごと食べてしまったんだろうか。
それにしても、昨日からの記憶まで曖昧なのは如何ともしがたいなー。

昨日はあんぽんたんでナポリタン食べて……それからどうしたっけ?

まあ、いいか。

まだいつも起きる時間より早いけど、そうだ。なんなら早目に家を出てあんぽんたんに寄って学校に行こうか。

って、流石にまだ開いてないわ。

やばいなー、幸福度MAXで頭が相当ゆるくなっちょるやん。

さーて、こんな気分いいのに二度寝するのも勿体無い。
どうしたもんかと悩んでいたら、 ケータイ電話がリリンリン。

あら珍しい。ヤマキさんからだ。


『おっはよースズコっちゅわぁーぁん!!』

「わあー!ヤマキさんオハヨーっす!朝からウザいっすねー!」

普段なら間違いなくウンザリしてる相手のハイテンション。
だがしかし今の私は無敵!同じくらいのハイテンションだ。

『シャラらっしゃーい!あんのねぇ。広場に新しく置物が設置されたんですって!
もうアタイ見たくて見たくて!どぉーう?
良かったら今から一緒に見に行かっなぁーっい?!
マスター達も居るそうよぉん!』

「いいっすねー!行きます!スズコ行きまーっす!」


よっし!電話を切って身支度を終わらせ、行ってきますとママに挨拶。


玄関で後ろから声がした。

「いいかスズコ。あんぽんたんの奴らには気を付けるんだ」

「また?心配性だなあ。あんぽんたんは、みんないい人だよパパ」

口を尖らせて振り返るも、そこには誰もいなかった。

「あれ。今確かにパパが……うん?あれれ?
パパって……誰だっけ?」


まあ、いいか。


私は元気良く家を飛び出した。












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