3 ワールズエンドカラスフレンド
誰か為の誰そ彼



太陽の光が降り注ぐ、いい陽気だ。雲一つない青空、本日は晴天なり。
そんな空の下で畑を耕す乙女が二体。

「なんで…世界最高峰の技術で作られた私が畑仕事なんて…」

「はいはい文句は言わないで手を動かすっスー」

「ていうか何なのあのお爺さんの戦闘力は?!どう考えてもオカシイでしょ!」

「うん?別におかしくはないっスよ。田削彼県民はみんなカンフーの達人スから」

「カンフーの一言で片付けよってからにッ!」

「いいから手を動かすっスー!あ、そこクワで溝作って盛上げお願いス」

「へいへい。ところで貴方」

「あ、アヤコっス。案山子と書いてアヤコっス。まあ紛らわしいから皆大体カカシって呼ぶっスね」

「そう、アヤコさん。なんでまた土の中になんて居たの?」

「え?だって私は案山子スから、カラスを追い払うのが仕事なんスわ。
カラスも頭がイイっスからね。隠れてないと出てきてくれないんスよ」

「手段が目的になってやがる…」

『全く。舐められたものだな』

カァァアー!
一羽のカラスが畑へ降り立った。

『貴様の土隠れ、気付かないとでも思ったか?やれやれ、ちょっと日を空けただけで奇抜なことをしてくる。
そんなに俺に会えなくて寂しかったかい?』

「な…!ば、ばばバカ言ってんじゃないっス!アンタなんて居なくてもぜんっぜん寂しくも切なくも無いんスからね!?
ね!そうでしょコジマっち!?」

「いやぁー…、それより何でカラスが喋ってんの?」

事実、カラスは喋れる。
雛鳥の時から仕込めばの話だが、訓練次第で九官鳥程度には言葉を話すことは可能だ。
この習性に目を付けた岩手県の唐砂(からすな)町では1968年、町おこしとしてカラス同士を喋らせ、どちらが流暢に喋れるか競う「カラス語相撲祭」が開催された。
だが、悲しいかな。観光客より先に動物愛護組織に目を付けられ、三年で祭は廃止になった。
今では現地人さえ知らない者が多い黒歴史である。
唐砂町の歴史博物館には件の組織が町にしたためた「当祭においては、烏を逃げぬよう足ば括りつけ鳴かす様 大層に無惨也。即刻中止せよと嘆願す」といった内容の手紙が展示されている。
興味ある方は是非立ち寄ってみるといいだろう。


『ほう、見ない顔だねお嬢さん。新しい案山子かい?』

「違いま…」
「そうッス!これでもうカラスなんぞに遅れは取らないっすよ!」

『面白い!ならば新人のお嬢さんにカラスクイズを申し込もう!』

「受けて立つっス!ね!?」
「お、おう」

『では問題!背負って歩くには長過ぎて、忘れてしまうには短すぎるものなーんだ?』

「さあ答えるっスよコジマさん!あと10秒!」


「え、ええ?………人生における哀しみ?」

『ほほう、やるな。正解だ!』

ボガァァーン!?!

カラスの片翼が爆発する。

『ぐあああああああああ!!?!
ふ…っうぐ。なるほどなるほど、これは期待できる新入りさんだ。今日の所は挨拶さ。次に会う時は俺も本気でいくぜ?』

カァァアー!
カラスは片翼で起用に飛び立ち去った。


「うー…んと、今のナニ?」

「カラスクイズっス!正解すれば出題者のカラスの片翼が不思議なチカラで吹き飛ぶっス!」

「なにそれ!?っていうか、もし不正解ならどうなってたの?!」

「あはははは。そんなの…コジマさんの片腕が不思議なチカラで吹き飛ぶだけっスよー」

「おっっまえ!ほんとにいつかスクラップにすっぞボケぇ!!」





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