〜エピローグ〜
最終章 役目






「・・・続いてのニュースです、政府の発案した新魔獣選挙法案が来年47600年の4月より現法案に導入されることが昨日の国会にて可決されました 与党の反応は・・・」

国会の現場映像には政府高官のインタビューが映っています
彼らの胸元には青い獣人のレリーフが刻まれていました


ここは小高い丘の上にある とある民家の一室
郊外にある二階建ての建物の窓からは川沿いに建て並ぶビル街や電波塔が一望できます

テレビのリモコンを片手に、一人の少女は自室で新聞を読んでいました

「・・・ふーん、18歳から選挙権、かぁ・・・・・・って、いっけない!もうこんな時間!」

蒼く美しい髪を跳ねながら、少女は慌てて机の引き出しをガサゴソあさりました

「ヤバイヤバイ!えっとぉ・・・今日返す本は・・・!!」

少女の指先にポスッ・・・と紙の感触が触れました



「あった!?これかっ・・・って違うや ・・・なんだろう、この本?」


それはボロボロの絵本でした



『ヘルハウンド冒険記』



「レイラ〜!早くしなさい!!学校遅刻するわよー!!」

一階から妙齢の女性の声が響きます

「はーい!ちょっと待ってー!!」



「ほら急ぎなさい!ブレスレッド持ったわね!?」

女性は荷物を抱えて、レイラと呼ばれる少女に手渡しました

「うん・・・ねぇ、母さん」

「?どうしたの?」

「この本って・・・」

「・・・ああ!懐かしいじゃない! どこにあったの、それ!?」

「なんか、私の机の中に入ってたんだけど・・・」

「あら、そうだったの〜! 本当に懐かしいわね〜、あなたが小さい頃よく詠み聞かせてあげたのよー 覚えてない?」

「そうだったの・・・全然思い出せない・・・どんなお話なの?」

「小さな獣人の女の子が、頑張って世界を救うお話よ・・・あなたも、テスト勉強頑張りなさいよ?」

「わかってまーす! じゃあ、お母さん、行ってきまーす♪」

「いってらっ・・・て、レイラー!お弁当お弁当ー!!」

「・・・あぁ〜〜!? 忘れてたぁ〜〜!!」

アスファルトの道を蹴りながら、少女は全速力で走り出しました





教師「・・・以上で朝礼を終了とします では、皆さん起立してください」

ガタガタガタガタ・・・

教師「全員、聖獣神様に黙祷」



郊外にある公立高校の教室
生徒一同 黒板の上にある石柱を抱えた獣人のアンクに黙祷を捧げていました

生徒らの手には真球のブレスレッドが握られています



・・・ダッダッダッダッダッダ・・・

バァアン!

レイラ「おはよーございまーす!!すみません遅れましたー!! ・・・ハァッ、ハァッ・・・」


教師「・・・おはようございます、レイラさん ・・・これで五日連続ですね」(;´-ω-`)

レイラ「デヘヘ〜♪ あと一日で新記録ですねー」(。・ ω<)ゞ

教師「・・・明日は土曜日です・・・ もうこれ以上の記録はありません」(#^ω^)

ドッ!

レイラ「(´・ω・`)」





ガヤガヤガヤ・・・

生徒「ガルア先生、メッチャキレてたよwwwやべぇよあれwww」

レイラ「いやぁ〜、やっちまったぜぃ♪」

生徒「しっかりしてくれよ図書委員長ーwww」

生徒「まぁ、副担任のガルア先生でまだ良かったよなぁ そんなに厳しくは怒ってこないし」

生徒「そうそうw あれが担任のシン先生だったら・・・」

ガラガラッ

レイラ「(・・・噂をすればなんとやら)」


教師「はーい、休み時間終わりだぞー 全員着席ー」パンパン



教師「えー授業の前に、 先週伝えておいたが、今日から新しく転校生が仲間に加わる」


ガヤガヤ・・・


レイラ「そういえば、そんなこと言ってたなぁ・・・」

生徒「ねぇねぇ!転校生だって! 男の子かな!?女の子かなぁ!?」

レイラ「女の子がいいなぁ〜」(*´ω`*)

教師「はい、静かに静かに! 遠くバラン地方から来た留学生だ 仲良くしろよ! ・・・じゃあ、入ってくれ」


ガラガラ


トコトコトコ・・・
ペコリッ



「ロウ・獄狼です 皆さん、よろしくお願いします」



レイラ「ロウ・ゴクロウ・・・・・・なんか変わった名前ね・・・」

生徒「ちっちゃくて可愛い〜♪ 何族なんだろ?ワーウルフかな?」

レイラ「分かんないけど・・・ねぇ、あの子に・・・会ったことない?」

生徒「?私バラン地方に知り合いなんかいないけど・・・そういえば、なんか見たことあるような・・・ないような・・・」

レイラ「でしょ?(どこかで・・・会ったことあるよーな・・・う〜ん?)」



生徒「獄狼さん、遠路はるばる、ご苦労さん!!なんつって♪」

生徒「田中ーくだらねぇぞーwww引っ込めーwww」

生徒「ロウちゃん、よろしくねー♪」

生徒「一緒に頑張ろうぜー!!」

教師「・・・やれやれ、はしゃぐのは後にしろーお前ら!! ロウ、君の席はあそこだ」

ロウ「はい、先生」


トコトコトコ・・・ストン


レイラ「(・・・あ!私のとなりだ・・・)」

レイラ「よろしくね、ゴクロウさん♪」

ロウ「・・・?・・・・・・!!・・・れ、レイ・・・ラ・・・・・・!?」

レイラ「?」

ロウ「・・・レイラ・・・あ・・・・・・あぁ・・・・・・やっと・・・・・・ぁあ・・・・・・」パクパク

レイラ「へ?へ?どっ、どうしたのゴクロウさん!?私、何かした!?」

ロウ「・・・・・・あ・・・ううん、あの・・・ごめんなさい・・・そうだよね、ごめんなさい」

レイラ「いやいや・・・その、こちらこそ・・・なんか分かんないけどスミマセン」(;・ω・)



レイラ「改めまして、私はレイラ、レイラ・ピースベル よろしくねゴクロウさん」(*´∀`*)

ロウ「はい、よろしくお願いしますレイラさん」

レイラ「敬語じゃなくていいよw 仲良くしてね♪」

ロウ「は・・・う、うん!こちらこそ ゴクロウじゃなくてロウって呼んでください」

レイラ「あっ・・・そうだね よろしくロウちゃん♪ ・・・そうだ!ロウちゃん、本とか読む?」

ロウ「うん!本大好きだよ!」

レイラ「良かったぁ!私、図書委員やってるんだけど、よかったら休み時間に面白い本教えてあげるね!」

ロウ「本当!? 嬉しい!ありがとう♪」


キーンコーンカーンコーン


教師「はーい、皆静かにしろー! じゃあ授業始めっぞー 吉池、教科書56ページから、次グレッグから、順に読んでいけー」

吉池「はい!・・・教科書56ページ @蒼壁の戦い『旧西暦4550年 当時台頭していた3カ国による大戦は・・・』・・・」


カリカリ・・・


レイラ「(・・・・・・あれ? ロウちゃん、私が教える前に私の名前呼ばなかった? ・・・気のせいかな?)」



〜〜



キーンコーンカーンコーン

カァ カァ



タタタタタタタタ・・・

レイラ「・・・ごめんロウちゃん!遅くなっちゃった!・・・待った?」(;´・ω・`)ゼハーゼハー

ロウ「ううん、私もレイラちゃんから借りた本読んでたし、今来たところだよ 所で、用事って?」

レイラ「あ・・・いやぁ、用事って程でもないんだけどさ・・・これ、先生から渡すように頼まれてて・・・」

チャラッ

ロウ「うわぁ・・・綺麗・・・!」

レイラ「この学校、聖獣教信仰だから毎朝そのブレスレッド持ってこなくちゃいけないの・・・ って、ロウちゃん住んでたのは聖獣教のメッカ、バラン地方だったね・・・ 普通に知ってるか」

ロウ「懐かしい・・・ありがとう、レイラちゃん!」

レイラ「ううんっ ・・・あと、もし良かったら一緒に帰らない? ロウちゃんの住んでるおうち、私の家のすぐそばなんだよね」

ロウ「本当? ・・・うん!一緒に帰ろ♪」

レイラ「良かったぁ!私の家結構ここから離れてて一緒に帰る人いなかったから、帰り道寂しかったんだよね・・・ これからはロウちゃんと一緒に帰れるよぉ♪」

ロウ「エヘヘ・・・私も嬉しいよ、レイラちゃんと一緒に帰れて・・・」

レイラ「イヒヒヒ・・・♪ そうだ!ロウちゃん、ちょっと寄り道して帰ろうよ♪」

グィッ

ロウ「ふぇ!?」

レイラ「最近橋の近くに新しいゲーセンが出来たんだって〜私音ゲーとか結構好きだからさ、ロウちゃんもペアになって一緒にやろうよ!プリクラもいろんな種類あってさぁ、チョー可愛いデコがあるんだぁ!一緒に撮ろう!あっ、あとね、そこの通りのスタバね、キャラメルフラペチーノが超超超ぉ〜美味しいの!!好きなようにトッピングもし放題だし、他のメニューも美味しいのばっかりだから、一緒に食べに行こう!!ね!?」

ロウ「・・・げーせん?ぷりくら? きゃ、きゃらめるフェラペロペロチンチンノ???」(;・ω・)?

レイラ「あ・・・そっか、ロウちゃん、留学生だもんね、知らないか・・・ハハハ♪」

ロウ「ご・・・ごめんなさい 知らないことばかりで・・・」

レイラ「いやいや、ロウちゃんは何も悪くないからw よぉし、私がいろいろ教えてあげるね♪」

ロウ「レイラちゃん・・・・・・ありがとう・・・ありがとう」

レイラ「いやいやw  明日休みだし、ロウちゃんさえ良かったら一緒に街へ遊びに行こう! ここの名所、トキタワーとトキスカイツリーに連れて行ってあげる♪」

ロウ「うん!行く行く!! 連れて行って♪」

レイラ「やったぁ!えへへ〜楽しみだぁ♪」




手を引かれて駆け出す獣人の少女
彼女の手を引く蒼髪の人間の少女


少女たちはとびきりの笑顔を浮かべていました



ありがとう ありがとう



校舎から離れていく二つの影


美しい夕焼けが二人の道を照らしていました



こんなに美しい夕日があるのだと
少女たちは初めて知りました







〜〜〜〜〜







「・・・そうだよロウ 存分に楽しんでおいで」

「泣いても、笑っても、間違ってもいいんだよ」



「それが『お前』の世界なのだからね・・・」









[おしまい]



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