死を思う
あとがき




本作に対し、私個人の感じるテーマが「死」です

本編で死について言及する描写は特別多くはないですが、私自身の身の回りの環境下で「死」について感じたことが多々有り、それを本作のアクセントに用いております



例えば、の話をいたしましょう

テレビで20代の大学生が就職活動に悩み、新幹線に飛び込み自殺した、と報道されたとします
コメンテーターは「悲しいことだ、もっと周りに相談すれば、周りは相談に乗ってあげればよかったのに、こんなことが今後起きない社会にしましょう」等と言うでしょう
ニュースを見ているおばさん方は「親からもらった体をなんだと思ってるんだ!なんて馬鹿なことをしたんだ、もっとほかに方法はいくらでもあっただろう」等と言うでしょう
ネット掲示板では「可哀想」「くだらない理由で家の人に迷惑かけやがって」「そんな程度で死ぬのか、愚かな奴だ」等と言うかもしれません


多くの場合、自殺した事を肯定的に捉えないのです その人の選んだ道であるのに
人の死、自殺行為をマイナスとして捉えているのです


多くの人たちは自殺者を狂人扱いしますが、それは間違いだと思います
むしろ彼らは悟ったのではないでしょうか
「自分の見ているものは自分だけの世界、これが自分の選んだ道、自分で決めたルール、自分で見つけた答え」と

自殺は間違っていないのです
少なくても自殺した人にとっては、少なくとも自殺を実行する寸前までは
その人にとって自殺は人生の選択肢の一つであり、その人の見つけた「正しい答え」なのです

『死』が現代において科学的に解明されていないブラックボックスである以上、自殺者が幸せになれたのかは分かりません
ですがその人は間違いなく目の前にあった苦しみから逃れることができたのです 「今」まで苦しんでいたことに怯えることはもうないのですから
周りがどんなに憤慨しようが、悲観しようが、歓喜しようが、死んでしまった者には関係ないこと
それは『その人』の世界なのですから



私はこの物語を書くにあたり、『死』について深く考えました
これが哲学なのか、理系的な考察なのかはよく分かりません、ただ自分なりに納得したことがあります

「答えは個人が持っている」

正しい、正しくないの判断は、結局は個人の思想・思考で変わるということ
死を良しとするか、良しとしないかも個人の思想の違い
「本当に正しいこと」なんてものはこの世に無いでしょう きっと

「生きるべき命のある世界」に住む我々が「死の世界」を感じる物語として、本作において「生と死」はとてもいいアクセントになったと思います


願わくば貴方なりの『答え』をこの物語に見出して下さい
それが貴方の描いた物語

そう、他でもない
この物語を作ったのは貴方なのですから



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