抗争のある世界だった。
その小さな街を牛耳る組織に逆らえば、死。
そんな組織の構成員である私は、組織にとって多大なる損害が生じる人物が現れた。
その人物の排除と、街の秩序の奪還。組織の長は私達構成員に命令し、抗争の中に飛び込んで行った。

何の力を持たぬ構成員は、道端で命を散らし、その肉体はそこら中に転がっていた。
私はそんな街にコツコツと靴を鳴らし、歩く。目的はただ1つだ。
死んでいった彼らを弔うでも無い、割れた硝子や建物を片付けるでも無い。
ターゲットの排除。ただそれだけを見据えて私は歩いた。

抗争は70日も続いた。過去最長で終息する気配も無い、だから私は少し気を抜いてしまっていた。
「名前!」
仲間が叫んだ。私は呼ばれた声の主の方に振り向いた。

そこで、私の意識は消えた。