明日は開校記念日で大学も部活もないから俺の家で、匠と公と善斗と慎吾で呑むことにした。


善斗に買い物を頼んで、15分。


おっせーな。
立ち読みでもしてんのかな。


「あ、帰ってきた。おかえりー」


玄関の扉が開く音が聞こえたのか
公が迎えに行った。
缶や瓶が入った重たい袋を善斗が持っているから

「#みょうじ#さんどーだった?」


ではなく、この事を早く聞きたいがためだった。

んなことどーでもいいだろ!


「ああ、普通に良い人だったぞ」

「はぁ?んな訳ねーだろ」

善斗の発言にすかさず俺が反応した。


あの女が良いやつとか、あり得ねーだろ!

愛想ないし口悪いし卑屈だし。


「ヤノジュンがあんだけ言うから、めっちゃ性格悪いのかと思ったら全然普通でびっくりした」


「お前それ何を根拠に…!」


「まあまあ落ち着けよ」


誠が俺をなだめる。


「俺入ってきたらさ、#みょうじ#さん夜遅いからか、寝てて」


仕事中寝てんじゃねーよ。

金貰ってんだろ、働け。

「すげーデカイ声で起こしたら、勢いよく起きて謝られた」


「俺がこの前ジャンプの角で頭叩いて起こしたら、恐ろしい形相で睨まれて、顔上げないまま会計されたんだけど」


「「「それはお前の起こし方が悪いわ」」」



「いや悪くねーよ、てかそれだけ?」

いい人って思った根拠は何だ。

「そのあと、バイトの話とかしてたんだけどそれから話が盛り上がって楽しかった。#みょうじ#さんてあんまり媚び売らないし良い人じゃん」



「無愛想なだけだろ」



「ヤノジュンが地味女とか言ってたし、最初は質素な感じだなって思ったけど、よく見たら#みょうじ#さんてすげー可愛いんだな」

は?

可愛い?


「なんか西浦の人から聞いたけど、#みょうじ#さんて3年間ミス西浦二位だったらしーよ」


「なんだよそれ、西浦イチ地味な女を決めるコンテスト?」


「西浦で一番可愛い子を学祭で選ぶやつ」


男子しかいない俺の高校はそういうのは無縁だった。

西浦のヤツ目大丈夫か?

つーか二位かよ。一位になれなくて残念だったな。ざまあ。

「公、それ違うよ。ミス西浦二位は#みょうじ#の妹の方」

黙って話を聞いていた慎吾が参戦。そして何でそんなことを知っているのか。

「俺ら高三のときの一位は野球部のマネだったよ確か」

だから何でそんなこと知ってるんだよ

「あー!まだ西浦が一年だけだったときのあのマネね!あれは別格で綺麗だったわ。なんかエロかったし」

匠のその言葉に、西浦のマネージャーがタイプだとずっとうるさかったのを思い出した。こいつオトナっぽくてエロそうな女が好きなんだっけ。
エロそうって基準はよくわからないけど。

「監督ももう1人のマネもかなりレベル高かったよな。つーかチアもいるしずるい!俺ら西浦に勝ったからいーけど!でもアドレスくらいは交換したかったな...」

善斗が残念そうに言った。
いま共学だし、頑張れ...。

「背高いマネの方はずっと彼氏いるよ。西浦のセンターやってたやつ」

「「いるのかよぉーー」」

もはや慎吾の情報収集力が怖くなってきた。

「妹!?妹いるの?」

西浦の1人のマネが彼氏持ちと聞き大きくショックを受ける善斗と誠に対して、その話には興味なし、#みょうじ#の妹の話を慎吾から聞きたがる公。
どんだけ#みょうじ#好きなんだよ。

公が話題を#みょうじ#の妹の話に変えたことにより、写メは無いのか、SNSは、慎吾のフォロワーの中にいないのか
などと俺以外の三人は#みょうじ#の妹さがしに盛り上がっていた。
結局妹の写メもSNSも見つからなかったようだ。

そして話題は#みょうじ#の話題へ。
俺が興味なさそうにしてるからか、慎吾がわざとこの話題を振ったようだ。
いやらしんごめ。

善斗と公は小さくて可愛いだの声が落ち着いてていいとか訳わかんねーこと言ってるし。


どこがだよ。


アイツが周りから割とよく思われてんのがむかつく。


そして話はいつの間にかエロい話に変わっていた。

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