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「流星」

 仕度を終えて時計を腕につけていた政宗に呼ばれた。
 俺は俺で帰宅の準備を始めていたので少し忙しなく、「はい?」とぞんざいに返したが、不意に視界が狭くなって、何事かと一瞬判断に遅れてしまったが。
 暖かい、けど少しごついその感触に、柄になくなんか抱き締められたのかと判断した。
 政宗の先に伊緒が見えた。唖然としていた。

違うって。これは多分樹実とか雨さんを知らないとこのスキンシップは誤解するよなぁ。アメリカとかでは普通だからかな?

「はい、いってらっしゃい」
「うん、いってきます」

 離れたので試しにそれを言ってみようと思った。

「政宗」
「はい、環ちゃんによろしく」
「はい。
 このスキンシップ、樹実限定なんで日本ではやめましょう。あんたの奥さんに呪い殺される」
「は?」
「いや、過剰だって。普通恋人にやるもんなの。樹実は外人被れだから誰にでもやってたけど」
「お前、でもあっさり」
「俺だからね。伊緒がビックリしてるよ。まあ、常識はずれだと言いたいわけです」
「なるほど」
「じゃ、また」
「あいよ、じゃぁな」

大体俺は今、着替えてた最中なんですけど。

 伊緒が玄関まで政宗を見送り、俺はその間シャツの掛け違えたボタンを直した。
 さて、これから環の手術(真っ赤な嘘)前に病院に顔を出して部署に向かってまた病院と。

環は元気だろうか。というか。

 ドアの開閉音がした。

「伊緒、」
「はいー」

 俺が呼ぶと、伊緒は忙しなくも取り敢えず顔は出してくれて。

「今から病院に行きますー」

 それから大まかに環のことは説明、今彼女が置かれている状況も理解してくれた。

「俺、居ていいんですか?」
「え?」
「いやぁ、なんか」
「お前、俺といるんだろ」
「ですが」
「まぁ後で決めろよ。取り敢えず今日はそんな感じ。
 大丈夫。環は人が好きだから」
「はぁ…」
「さて、行こうか」

 なんか伊緒は臆しているようだが、取り敢えず連れて行くことに決めた。

仲良くなれるといい。というか、なれると思うんだけどなぁ。

 いつの間にやらあの家は、どうやら広すぎない家になっていたようだった。

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