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人のこととか、自分のこととか、正直よくわからないけど。
閉店時間になってからも依田とのんちゃんとあたしは飲み続けた。またママさんがお店を貸してくれた。
少しだけ話していたつもりが気付けば始発の時間になっていた。
依田の昔の相方の話や、のんちゃんとメンバーのこれまでや、あたしの昔の話やらをちらほら話して。
そっか、いつの間にか。
話せるようになったんだあたしと思った。そして二人もきっとそう、過去を、漸く話せるようになったんだと感じた。
いつの間にか月日は過ぎていた、大人になっていたんだあたしたちは。それに気付けたことにも驚きだった。
そんなに不快感もなく話せたことがそれぞれ気分が良く、だから相手のことも許容出来た。
そして、これからはきっとこうして何気なく、然り気無く、互いの色々を聞いていくのかもしれないな。
それってなんかカッコいい。ロックだ、互いに生きているビートを刻んでる。そして依田が言ったように心中のようだと、一人センスなくあたしは思った。
始発の時間にのんちゃんと、あたしたちも途中まで一緒に帰ったけど、寝過ごしたりして乗り換えて、漸く今あたしが住む自宅へ同居人と帰ってきた。
夢が覚めたような気持ちで「眠い、」と、二人それぞれの部屋で、あたしはあたしの出勤時間まで爆睡をこいた。
それがいまの日常だと、夕陽を見ながらまたviolentに出勤したのだった。
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