イルミネーション


 この真空管の音はどこからするのだろうか。
 右側から薄ぼんやりと鉄を引っ掻くような、誰かの声が前頭葉を引っ張る。あぁ一過性、過ぎ去り入れ換わり「お前は誰だ」と訪ねる言語障害の心が震えていく、常習性の健忘が意味をなさない、あなた、どなた?生きているのか死んでいるのか、麻痺している。

 解そうと考えて冷めていく貴女の背中が生理的に悲しくなっていく。それに触れたかったのだけど泣いた貴方がどこへ向かうのかはわからない。いつの呼吸か早く行こうか、僕は昼並みの副作用でこんなに灰になっている。ねぇ君、誰だ。酩酊が頭を止めるようだ。

 最後の記憶で目を閉じたいんだ、君は強く優しかった。だからさようならと言ってしまったのかもしれない。だから覚束無かったのかもしれない。さようならが麻痺している、過呼吸で、ちっぽけなこれが溶けていく。僕は発狂するように泣いたのは夏だったはずなのに。

 明日に進めないからずっと舌を噛むように生きている。息の根を殺したい。酒と薬とそれに明日がないと、考えたら止まらなくなってしまう。ゆっくりでいい、ただただそこには僕の砂になった意識が、あるだけで。逃げてしまいたい、けど追いかけたいからこんな幻に微睡んでいる。疲れたなぁ、何もかも、胃に流し込んで消化してしまえばいいんだ。
 

 目を開けたら視界はイルミネーションのような低血圧だった。
 赤なのか青なのか白なのか。

 明日は来てしまったけど、後悔した。怠くて泣いても仕方ない、ただ唇が乾いて痺れている。僕はいま呼吸をして、誰かの光を浴びている。立ち上がったのも悪かったと、「大丈夫ですか」にくらやんだ。立ち眩み、そう、君の名前は、立ち眩み。誰かの息に泥酔してしまっただけだった。



※起立性貧血です(おい)
しかし最近ない。二色は元気です(笑)
ただただ文を長くし詰め込んだだけ!なんだか最近元気がない。

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