絵を描く男
少女はニューオリンズで泡沫に愛されるべきだ。デューク・エリントンの音楽以外は滅んでよし、ただ醜いだけだと公言する。
くたばりたくないと墓に唾を吐く彼の絵はガラクタ、海の、ガラクタ、一人の大衆、灰色、心臓、ガラクタ、トランペットに僕はくたばりたくないと翻訳。困難、混沌の不整脈に40までは生きられない、黒い犬は夢ばかり見て二時間で終わってしまうのか。
第二次世界大戦を批判して上書きするそのジャズ・トランペットは北京を称賛して曲を作り、作り、心臓から花が咲いたのかもしれない。翻訳は困難だ、作家は向いていない、塗り替えようか絵を描こうかくたばりたくない、40までは生きないよ、だけどくたばりたくない、戦争なんて死んじまえばいいのさこの白人めと男は絵を描き始める。
プロット、サイエンス・フィクションで四次元的な手法なら絵画は彼に向いていたのかもしれない。
「L'Écume des jours」奇怪と言うのは至ってシンプルな灰色画で誰のピストルがその四角に刺されて死んでいるのか四次元と読み説くのか、それこそサイエンスでフィクション、奇怪な思考ではないか、くたばってしまえば良いと男は筆を持つ、キャンパスとトランペットと……。
破綻。
ジャズは批判。小説は金。絵は腕試し、絵画批評はそれら。
39歳、絶版は突然の心臓発作。売春のような人生。惨殺死体の側にある、そんな彼は「くたばりたくない」と連呼する。
クロエ、ヴィル=ダヴレーにくたばりたくないんだよ、心臓に花が生えて生きていられるか。
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