「年賀状」をファンタジー、またはミステリーで。


 真っ赤なハガキが届いた。
 ベタベタだった。

 男はそれを手にして「なんだこれは」と思いを巡らせ、巡らせてみる、宛がない。しかしたちが悪いな気分も悪い。

 誰だとぐるぐる考えながら座り込む、浮かんでくるのは会社の上司。いつも意地が悪く書類の判子の朱肉は毎回滲む太ってハゲた口の臭い上司だ。

「お前今日中にやっとけ」

 と書類を渡され大体ふてくされてこなすも朱肉は毎回滲む書類だ。

あぁ腹が立つ。

 いつもフォントや角度や数字や表やすべてきっちり狂いなく印刷してダメなら0.02ミリまできっちりズラして提出する神経質で髪の具合まできっちりした男には耐え難い上司だ。そんな上司がこんなに均等に真っ赤にハガキを刷れるわけがない、×。

 じゃぁやはりこれは嫌がらせか、そういえば最近隣の家の大学生が毎晩はしゃいでいて管理会社に文句を送りつけたばかりだ。ったくあのクソガキども朝方まで騒ぎやがって何度壁を叩いてやったかわからない、送り返してくれようか、この呪いのハガキで留年してしまえ。

 いや、待て。
 今日はどうやら静かだぞ。この滑り具合…、
あっ、手に貼り付いた。
わっ、ハガキに自分の指紋がくっきり!

 この塗料、絵の具かな。そういやアトリエやってる友人がいる。クソ下手な絵を売り歩いて「売れないのがアートだ」なんてほざきやがって、だとしたら悪質だ。落書きを批判したせいだろうか。あのとき「もう絶好だ」と離縁したよな、じゃぁ違う。

 このハガキ、一体なんだろう。

 いや、いったい誰がなんのために送りつけてきたんだろう、気色悪いなぁ…あ、指紋の場所でうっすらなにか見える、文字かな。てことはあとからこのハガキはこうなったわけでだとしたら郵便屋?いや、恨まれることはしてな…

 外から大きな話し声が聞こえた。多分業務的な話題だ。赤が足りない、だとかなんだとか。

 そうだ。
 去年末の管理会社からの手紙を思い出した。新年早々このアパートを紅白にするなんてアホ臭い計画だ。

 塗料?

 もしかしてと男は外に出てみた。
 やはり。

 ドアのポスト付近はきっちりハガキの形で白くなっていた。

 男は考える。
 どうしてこんなことになったのかと。


 それは、「年賀状」をミステリーでという男の小説の構想だったからだ。ダメだこれ、ゴミ箱に捨てちまおうと、赤いハガキを袋に捨てた。しかし、やってみれば1000文字くらいは出ていくもんだなと、しみじみ自分の間延び方に感心して。



※ふざけま以下略
はい、難しかったです、しょーもなかったです、すません(笑)

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