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そして僕はローズマリーの城に、彼女の訃報を知らせに行きました。
庭に植えていた最後のブーゲンビリアと、ローズマリーを刈り、今の葬儀に至るわけです。
香の代わりにローズマリーを、アリッサムの意向で僕が焚き、ブーゲンビリアの花束は一つのリングでまとめ、もう一つは漸く、アリッサムに託すことが出来ました。
葬儀の受付ではやはり、ブーゲンビリアの華を見て苦い顔をされましたが、僕の目にはその色が先天的に届かない。届かないからこそ、赤も、青紫もありました。もちろん、白いのを多く選んだつもりでしたが。
僕の作った彼女との悲愴を鳴らす王国には、色など雑多だったのですから。
静寂や情景、旋律や冷気を浴びた棺の中のローズマリーは酷く美しく、胸元に置いたブーゲンビリアは祈るように、咲いているように僕には見えました。
立ち去ろうとした際に、「ブロッサム、」と、アリッサムに呼び止められました。振り返れば彼は、「これからどうするんだい」と僕に聞きました。
僕は答えず、曖昧に微笑み立ち去りました。
僕はアリッサムから返された鋏を握るようにして、あの海へ一人立ち尽くしました。
吹き出した血の色は美しい、音のようだった。そこに咲いたブーゲンビリアに僕の心は、裂かれたのかもしれないな。彼女の最期を祈り、そう、想いを染めました。
夜になれば流星のように、この銀の月光は僕に降り注ぐのだと、ローズマリーの部屋に飾ってあった、少し前まで一人で眺めた毎日を思い出して。
また会いましょう。
この光と、黒い海に祈り、僕は地平線へ歩いて行く。けれど本当はこの海に、花の咲かない深海に、いつの間にか溺れていた、それを望んでいたんだと、傷付きながらわかっていたのです。
どうか、どうか。
海にもクラゲが咲くように、この光を浴びて、
浴びて。
咲いてくれたらいいと、春を思いました。
浴びて、咲いて、咲いて、裂いて。
庭師に引き裂かれないように、強く、咲いてくれと祈って、深海の奥で、沈むことすら、漸くサクラが咲いた気がして。
水中に浮かぶ銀の月は、まるでクラゲのように、ゆらゆら、沈んでいくのでした。
次はまた暖かく、色とりどりに咲けるように、想いを込めて。
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