陰と陽
「いい加減彼女とかさぁ、いないの?」
「はは、それは一喜にあげたからいーよ」
「人聞きが悪くないか。だってさ」
「遊びたくなんないかって?」
「うっ、」
「なーらないよ。俺わりと君よりまともなヤツだから」
「…まともなら本来19って遊び狂ってるよ。お前早かったんじゃないの」
「あったねー病み気。で、小夜ちゃんはどう?」
「いきなり来るか普通」
「いくいくー。デリカシーないもん俺」
「はぁ、あっそう」
「なんだか見てると、まぁ…」
「ん?」
「いや。今年も来たなぁって」
「…今年は早かったな、紫陽花」
「ん?」
「毒あるらしいよ」
「なにそれ、小夜ちゃん辞書?」
「辞書とはなんだよ」
「あーめんどいね一喜」
「いや、あのねぇ…ってちょっと待てよそれ人ん家のじゃねぇの?」
「道端だよ」
「多分誰か植えたやつじゃん」
「くる?」
「あ、」
間。
「…そうだね、まぁ…晴れてるしね」
「実家の鍵ならあるし。変わってるかな。ねぇ一喜、俺実家の鍵変わってたらどうしよう」
「一年も前だからなー、あり得るな」
「なんかマジっぽく言うなよ」
「ま、したら墓参りだよな」
「丁度良いだろ、これ」
「それ毒あるんだって」
「ねぇよ多分。綺麗だもん」
「てかホントに人ん家のじゃないの、それ」
「でも綺麗じゃん」
「てか…」
間。
「…見せてやりたいじゃん?」
「…まぁ、お前より文系だったもんね、透」
「じゃ、まぁ行くか」
「多分、喜ぶよ」
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