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それから暫くは晴香が夕陽の着替えをするのを太一も手伝い、二人で病院を出て。
晴香が俯いているのに合わせて俯いて歩くフリをしながら登った、
赤い血を延々垂れ流すような永遠の夕焼けを睨み付け、太一は晴香の手を引く。
人目につかない駐車スペースに停めた太一の車へ然り気無く晴香を誘導すれば勝手に晴香は後部座席の前に立つ。
当たり前のように太一は後部座席を開け、晴香を黒い皮の座席へ抱きつくようにして倒しては、木々のざわめき、溢れる僅かなその赤い夕焼けにその肌を晒していく。
食んで、貪って、繋がって。
霧散する意識に比例する吐息はまた塞いで繋げていく。消えそうなその太一の思いは夕陽への背徳かもしれない。
何故晴香を後部座席なんかで抱く俺がこうして、息を荒げているのかと、夕陽の、白いシーツの上で眠る顔がちらついた。
だけど俺たちを繋いだお前は、俺にとっては浅い友人なんだろうか。ならば何故、こんな想いをするか。
一層。
夕陽があっさりこの世から消えていたならばと太一は考える。
考えた瞬間に裸の瞳と絡み合った。彼女の浮遊した意識の先には互いの欲望があって。
太一の耳元に手を伸ばし晴香は「太一くん…」と、濡れて苦しそうな吐息を吐く。また繋いでは太一の身体や欲望は痙攣して軽くなる。
人目につかないとはいえ、吐き出した後に半身を起こして太一に抱きついてくる晴香の背中に、太一は手を恐る恐るまわす。
生温い。鼓動だってある。
泣いたように湿った彼女の吐息に、太一はその背を撫で、押し潰しに掛かる背徳へ抵抗して夕陽を思う。
どうして血液が足りなくなるとこうも怠く憂鬱か。
夕陽、俺はお前に悪いことをしているかもしれない。お前の頬はでも、こんなに暖かくないじゃないか。
俺と晴香は多分。
1年経った今、ある意味お前への消えそうになった想いを繋いでいるんだと。
窓から見える夕焼け、彼女の啜り泣き、しっとりとした背中に太一はぼんやりと思った。
今日はこのまま晴香を家まで送ろう。そんな現実に、あの日飛ぶように落ちたの背中が、ちらつく。
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