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雨がそこに淑やかに、浮遊したとて。
雲がそれに緩やかに、存在したとして。
君は恐らく空に蒼を魅せた人だったのは、循環の記憶だったとしよう。
地にへばりついた僕は君を見上げることが出来るだろうかと考えてみて。
ここに誰かの虚構を見たとして、
そこは貴方の海溝だったなら。
相反してしまった愛、歪曲して空は泣き続けるしかないのだと。
だからどうでなくて雨が降ることは、コンクリートの匂いすら謙虚にしてくれる。
まだ洗い流せないのだと地平線に想いを慮る。日常には溢れ出さない濁流を受け止めるのは枯れ地の果てだと僕は思うのです。
君を愛していたいから。
いつか空から溢れ出すように言いたかったそれすら、流されてしまって怠惰な温さに浸かれるのが雨上がりだと知る。
シンプルなんだ、水滴のような現象で。
それを知らず泥濘に浸かった僕は滑稽でしょうか。
幻想に旅立つ君と幻影に夢見た僕は生々しくも生きていたと河の強さに感じたのでした。
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