雨を裂く拳

雨が激しく降り続いていた。☔

雨隠れの里

朽ちた橋の上。

沈黙を破ったのは――

怒号だった。

「殺せッ!!」

命令を出した男。

毒マスクの支配者。

山椒魚の半蔵

次の瞬間。

数十の忍が動いた。

クナイ。

鎖鎌。

水遁。

すべてが一斉に弥彦たちへ向かう。

だがその前に。

一人の影が踏み出した。

うちはオビト

「下がってください」

長門が叫ぶ。

長門

「お前一人で何を――」

オビトは振り向かない。

ただ拳を握る。

雨に濡れた手。

その血が静かに動く。

「赤燐躍動」

赤燐躍動

血流が爆発的に加速する。

筋肉。

神経。

反応。

すべてが跳ね上がる。

地面を蹴る。

バン!!

一瞬で忍の群れに突っ込んだ。

拳。

ドン!!

一人の忍の腹に叩き込む。

忍は防御した。

だが。

次の瞬間。

バン!!

遅れて衝撃。

吹き飛ぶ。

長門の目が見開く。

「……二段?」

オビトが呟く。

「逕庭拳」

逕庭拳

別の忍が刀を振るう。

オビトは半歩ずらす。

写輪眼が回る。

写輪眼

動きが見える。

未来が見える。

拳。

その瞬間。

空間が歪む。

バチィッ!!

黒い火花が弾けた。

黒閃

忍が地面に叩きつけられる。

衝撃で雨水が跳ね上がる。

自来也が思わず呟いた。

自来也

「……なんだ今のは」

だが戦いは終わらない。

半蔵の忍が印を結ぶ。

「水遁!!」

巨大な水弾。

オビトへ直撃。

長門が叫ぶ。

「避けろ!」

だがオビトは動かない。

拳を構える。

「来い」

水弾が迫る。

その瞬間。

オビトが踏み込む。

拳。

衝突。

バチィィッ!!

再び黒い閃光。

水弾が弾け飛んだ。

黒閃。

二度目。

弥彦が呆然とする。

弥彦

「……なんだあいつ」

小南が小さく言う。

小南

「強すぎる……」

雨の中。

オビトは静かに立っていた。

その姿を。

半蔵が見ていた。

「……面白い」

ゆっくり鎌を持つ。

「若造」

「名は?」

オビトは答える。

「うちはオビト」

半蔵の目が細くなる。

「うちは……」

そして。

ゆっくり言った。

「ならば」

鎌を構える。

「私が相手をしてやろう」

雨の国最強。

伝説の忍。

山椒魚の半蔵

その殺気が。

橋の上を覆った。

だが。

オビトは笑った。

「いいですよ」

拳を握る。

黒い閃光がまだ残っていた。

「ちょうど」

雨が激しくなる。

「肩慣らしが終わったところです」

橋の上。

忍界の伝説と。

未来を知る忍。

その戦いが。

今、始まろうとしていた。



〆栞
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