変わる運命

雨は激しくなっていた。☔

雨隠れの里

森の奥。

朽ちた橋の前。

そこに二つの勢力が向かい合っていた。

一方。

雨隠れの忍たち。

その中央に立つ男。

毒マスク。

巨大な鎌。

山椒魚の半蔵

そしてもう一方。

三人の若者。

弥彦

長門

小南

その後ろ。

黒髪の少年。

うちはオビト

弥彦が口を開く。

「今日は話し合いのはずだ」

半蔵は静かに言った。

「その通りだ」

その瞬間。

縄が引かれる。

弥彦の目が見開く。

橋の柱。

そこに縛られている少女。

小南

長門が叫ぶ。

「小南!!」

半蔵が言う。

「条件は一つ」

鎌を指す。

「長門」

長門

「弥彦を殺せ」

沈黙。

雨だけが落ちる。

弥彦

「……」

長門

「そんなこと……」

半蔵

「出来なければ」

鎌が動く。

小南の喉元。

「この女が死ぬ」

長門の手が震える。

クナイ。

握る。

震える。

弥彦が長門を見る。

そして笑った。

「長門」

長門

「……やめろ」

弥彦

「俺たちの夢」

「ここで終わらせるな」

長門の目から涙が落ちる。

「出来るわけないだろ!!」

弥彦は静かに言う。

「出来る」

そして。

長門のクナイに手を添える。

オビトの瞳が開く。

写輪眼

(来る)

未来で見た瞬間。

弥彦が前に踏み出す。

長門のクナイへ。

ザッ

刃が胸に沈む。

長門

「……あ」

弥彦の体が崩れる。

小南

「弥彦!!」

半蔵が笑う。

「終わりだ」

長門の瞳が震える。

そして。

変わる。

波紋のような瞳。

輪廻眼

怒り。

絶望。

その瞬間。

弥彦の体に手が触れた。

オビト。

「まだ死ぬな」

長門

「……?」

オビトが呟く。

「負のエネルギー」

手に呪力が集まる。

「×」

もう一つの呪力。

「負」

圧縮。

反転。

「=正」

光が走る。

反転術式

弥彦の胸。

血が止まる。

裂けた肉が繋がる。

止まった心臓。

ドクン

ドクン

長門の目が見開く。

「……生きてる」

弥彦の指が動く。

咳き込む。

「……ゲホッ」

小南

「弥彦!!」

半蔵の目が初めて揺れた。

「何だその術は」

オビトは立ち上がる。

弥彦を背負う。

「医療忍術みたいなもんですよ」

嘘だった。

だが説明する気はない。

長門は呆然としていた。

(弥彦が……)

(生きてる)

オビトが言う。

「長門」

長門

「……?」

オビト

「まだ終わってない」

半蔵の忍が動く。

「殺せ!!」

その瞬間。

オビトの血が雨の中で震えた。

「赤燐躍動」

赤燐躍動

筋肉が弾ける。

地面を蹴る。

次の瞬間。

拳が雨を裂いた。

黒い閃光。

バチィッ!!

黒閃

雨の中。

戦いが始まった。

そして。

本来死ぬはずだった男。

弥彦

その命は。

今、確かに繋がっていた。

雨の国の運命は。

この瞬間。

大きく変わった。



〆栞
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