九尾襲来

夜。

木ノ葉の外れにある結界内。

静かな緊張が漂っていた。

出産の時。

九尾の人柱力
うずまきクシナは、今まさに子を産もうとしていた。

傍らには

四代目火影
波風ミナト

そして護衛として立つのは

うちはオビト

ミナト班の一員だった。

クシナが息を荒くする。

「……ミナト」

「もうすぐ……!」

ミナトが頷く。

「大丈夫だ」

「すぐ終わる」

しかし――

その瞬間。

空気が歪んだ。

結界の外。

黒い影。

顔を覆う仮面。

オビトの瞳が細くなる。

「……来た」

ミナトが振り向く。

「敵か!」

仮面の男が静かに言う。

「九尾を」

「もらいに来た」

瞬間。

空間が歪む。

結界が破られる。

ミナトが飛雷神で突っ込む。

しかし――

遅かった。

出産の瞬間。

封印が弱まる。

その一瞬を突いた。

封印が裂ける。

大地が震える。

「グオオオオオオオオッ!!」

咆哮。

現れたのは

伝説の尾獣。

九尾。

巨大な体が夜空を覆う。

木ノ葉が震える。

ミナト

「しまった……!」

九尾が暴れる。

尾が振り下ろされる。

建物が崩れる。

炎が広がる。

オビトは九尾を見上げる。

その圧倒的な力。

「……これが」

「九尾」

九尾の爪が振り下ろされる。

オビトは印を結ぶ。

腕を切る。

血が溢れる。

「――赤血操術」

空中に散った血が形を変える。

編まれる。

巨大な血の鎖。

オビトが叫ぶ。

「赤縛!!」

血の鎖が走る。

九尾の前脚。

胴体。

尾。

絡みつく。

地面が砕ける。

九尾が咆哮する。

しかし。

一瞬だけ。

動きが止まった。

ミナトが目を見開く。

「オビト!!」

オビトは歯を食いしばる。

「長くは……!」

血が震える。

九尾の力が強すぎる。

鎖が軋む。

砕ける。

「……くそ」

その瞬間。

九尾の巨大な爪が振り下ろされた。

オビトの視界。

死。

未来が見える。

砕ける体。

終わり。

その時。

頭の奥で。

声がした。

白い髪の男。

軽い口調。

笑っている。

五条悟

「大丈夫」

「お前なら出来る」

「やりなよ」

少し間を置いて。

その言葉。

「最強」

オビトの瞳が揺れる。

写輪眼が回る。

さらに。

変化する。

模様が崩れる。

再構築される。

新しい瞳。

六写眼

世界が変わる。

見える。

チャクラ。

呪力。

空間。

すべてが数式のように。

九尾の爪が迫る。

だが。

止まる。

オビトの前で。

触れない。

無限の距離。

オビトが呟く。

「……なるほど」

「これが」

無下限呪術

空間を支配する術。

九尾の攻撃が届かない。

ミナトが息を呑む。

「……オビト」

オビトの瞳。

赤い写輪眼の奥に。

青い光。

六写眼

オビトは九尾を見上げる。

「もう一回だ」

血が再び浮く。

「赤血操術」

巨大な血の鎖。

「赤縛!!」

今度は違う。

六写眼の演算。

完璧な拘束。

九尾の動きが止まる。

ミナトが叫ぶ。

「今だ!!」

四代目火影が動く。

封印術。

九尾封印。

木ノ葉を救う戦いが――

今、始まった。

――続く。



この続きは

第四十二話「四代目の覚悟」

になります。

ここで
• ミナトの封印決断
• 九尾封印
• ナルト誕生

そして

六写眼を見たヒルゼンの衝撃

が描けます。

さらに重要なのは
この後、

ダンゾウが動きます。

六写眼を知って。


〆栞
PREV  |  NEXT
LIST