四代目の覚悟

夜の木ノ葉。

炎に包まれた村の中心。

巨大な尾獣――
九尾。

その体を縛る赤い鎖。

血で編まれた拘束。

赤縛

それを操るのは

うちはオビト。

オビトの瞳が静かに光る。

赤かった写輪眼は、ゆっくりと色を変えていく。

赤から――

青へ。

蒼い瞳。

その奥に浮かぶ三つ巴。

さらにその奥に現れる万華鏡の紋様。

空間を歪ませる模様。

神威

そしてその瞳の名は――

六写眼

世界が違って見える。

チャクラの流れ。

術式の構造。

空間の歪み。

すべてが数式のように理解できた。

オビトが呟く。

「……見える」

九尾の暴力的なチャクラ。

その中心。

そして――

ミナトの術。

前方で

波風ミナトが印を結ぶ。

「屍鬼封尽」

死神の影が現れる。

巨大な霊体。

魂を喰らう封印術。

オビトの六写眼がそれを解析する。

術式。

契約。

代償。

魂。

死神の腕が伸びる。

ミナトの魂を掴もうとする。

その瞬間。

オビトの瞳が見抜く。

「……そこか」

封印術の中枢。

魂の契約部分。

代償の流れ。

オビトが叫ぶ。

「ミナト先生!!」

ミナトが振り向く。

「オビト!?」

オビトの瞳が輝く。

空間が歪む。

「――無下限」

世界に無限の距離が生まれる。

死神の腕が止まる。

ミナトの魂に触れない。

空間に阻まれる。

死神が唸る。

術式が軋む。

ミナトが目を見開く。

「……何をした!?」

オビトは息を切らしながら言う。

「先生」

「勝手に死ぬな」

九尾のチャクラが封印されていく。

半分。

そして残り。

封印が完成する。

光が夜を包む。

そして――

死神の影が消える。

ミナトの体が崩れ落ちる。

オビトが駆け寄る。

「先生!」

ミナトは息を荒くしている。

だが。

生きている。

ミナトがかすかに笑う。

「……今のは」

「お前の術か」

オビトは答える。

「よく分かりません」

「でも」

「先生は死なせません」

ミナトは静かに目を閉じる。

その腕の中には

赤ん坊。

ナルト。

遠くで

うずまきクシナが涙を流している。

夜が静かになる。

九尾の気配は消えた。

木ノ葉は救われた。

ミナトが呟く。

「オビト」

「お前は……」

「本当にすごい忍になるな」

オビトは照れくさそうに笑う。

その蒼い瞳。

六写眼

その力を。

遠くから見ていた男がいた。

包帯の男。

闇の中で呟く。

「……六写眼」

「写輪眼の突然変異か」

その名は

志村ダンゾウ

木ノ葉の闇が

静かに動き始める。

そして。

新しい時代が始まる。

四代目火影は――

生きている。



〆栞
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