問題児四人組

忍者アカデミーの授業が終わる頃。

木ノ葉の空はすっかり夕方の色になっていた。

オレンジ色の光が校舎を染め、影を長く伸ばす。

「腹減ったってばよ!!」

机に突っ伏しながら叫んだのは
**うずまきナルト**だった。

「さっき弁当食べたばっかでしょ」

呆れた声を出すのは
春野サクラ。

その少し後ろで腕を組んでいるのが
うちはサスケ。

そして。

窓際の席でのんびり空を見ているのが俺。

うちはオビト。

「なあオビト!」

ナルトが振り向いた。

「帰りラーメン行かねぇ?」

俺は肩をすくめた。

「金ねぇ」

「オレもだってばよ」

「じゃあ無理だろ」

サクラが机を叩く。

「アンタたちバカなの!?」

ナルトがむくれる。

「なんだよサクラちゃん!」

「授業終わったんだから帰るのよ!」

サスケは立ち上がった。

「……くだらない」

そのまま教室を出ていく。

ナルトが叫ぶ。

「待てサスケ!!」

しかしサスケは振り向きもしない。

ナルトが机を蹴った。

「くそー!!」

俺は笑った。

「気にすんな」

「気にするってばよ!」

ナルトは拳を握る。

「あいついつもあんな感じなんだ!」

「まあ、サスケだからな」

俺は立ち上がった。

「帰るか」

「おう!」

ナルトが元気よく立ち上がる。

サクラがため息をついた。

「……なんで私までこの二人と帰ることになってるのよ」

「だって同じ方向じゃん」

「だからって!」

「まあまあ」

俺は軽く手を振った。

「平和でいいじゃん」

サクラは一瞬ぽかんとした。

そして顔をしかめる。

「……アンタもナルトと同類ね」

ナルトが笑う。

「だよなオビト!」

「まあな」



帰り道。

木ノ葉の商店街はにぎやかだった。

子供たちが走り回り、店の呼び込みが響く。

ナルトは屋台を見て叫ぶ。

「ラーメン!!」

「金ないって言ったろ」

「見るだけでもいいってばよ!」

サクラが頭を抱える。

「この二人ほんと騒がしい……」

俺は肩をすくめた。

でも。

この光景は嫌いじゃない。

むしろ――

懐かしい。

ふと、俺は足を止めた。

前を歩くナルトの背中を見る。

小さい背中。

でも未来では――

世界を背負う男になる。

(……守る)

心の中で呟いた。

ナルトだけじゃない。

サスケも。

サクラも。

カカシも。

この世界で失われるものを、できる限り。

「おーいオビト!」

ナルトが振り返る。

「どうしたってばよ?」

俺は笑った。

「いや、なんでもない」



次の日。

アカデミーの訓練場。

今日は実技授業だった。

教師の
**うみのイルカ**が腕を組んでいる。

「今日は模擬戦だ」

生徒たちがざわめいた。

「二人一組で戦う!」

ナルトが拳を握る。

「よっしゃあ!!」

サクラがサスケを見る。

「サスケくん!組まない?」

だが。

イルカが名簿を見る。

「ナルトとオビト」

「よっしゃ!!」

ナルトが飛び上がる。

「やったってばよ!」

「よろしくな」

「おう!」

そして。

「サスケとサクラ」

サクラが赤くなる。

「えっ……!」

サスケは無言。

ナルトが叫ぶ。

「サスケ!!勝負だってばよ!!」

サスケは冷たい目で見た。

「お前じゃ相手にならない」

ナルトが怒る。

「なんだと!!」

俺は笑った。

「まあ落ち着け」

ナルトに言う。

「勝てばいいんだろ?」

ナルトがニヤッと笑った。

「そうだってばよ!」



模擬戦開始。

ナルトがいきなり突っ込む。

「うおおお!!」

「バカ!」

サクラが叫ぶ。

サスケは軽く避けた。

ナルトが転ぶ。

「いってぇ!」

俺はため息をついた。

「ほんと突撃好きだな」

ナルトが立ち上がる。

「オビトも来い!!」

「しょうがねえな」

俺は地面を軽く蹴った。

一瞬で距離を詰める。

サスケの目が細くなる。

「……速い」

俺は軽く拳を振る。

サスケが受け止めた。

「!」

土煙。

サクラが驚く。

「な、なに今の速さ!?」

ナルトが叫ぶ。

「すげー!!」

サスケは俺を見た。

真剣な目。

「お前……」

俺は笑った。

「ちょっと本気出すか?」

その瞬間。

足元の地面に手をつく。

本来なら使わない。

でも。

つい。

癖で。

チャクラ――いや呪力混じりの力が流れる。

地面が――

ドンッ

小さな木が生えた。

静寂。

「……え?」

サクラが固まる。

ナルトが叫ぶ。

「木!?!?」

イルカが目を見開いた。

「今の……!」

サスケが呟く。

「……木遁?」

俺は凍りついた。

(やべ)

やりすぎた。

完全にやりすぎた。

「……あー」

頭をかく。

「うっかり」

ナルトが目をキラキラさせる。

「オビトすげえええ!!」

サクラが震える。

「伝説の血継限界よ!?」

サスケは俺を見続けていた。

鋭い視線。

まるで何かを見抜こうとしている。

その頃。

少し離れた木の上。

一人の男が本を閉じた。

銀髪。

仮面。

片目だけ見える。

はたけカカシ。

カカシは小さく呟いた。

「……木遁?」

視線の先。

そこには黒髪の少年。

カカシは眉をひそめた。

「妙だな」

チャクラの質。

動き。

それに――

「どこかで見たような……」

カカシはしばらくオビトを見つめていた。

そして小さく笑う。

「……面白い子だ」

運命はまだ誰も知らない。

忍者アカデミー。

問題児四人。

その中心にいる少年が――

かつて世界を救った男だということを。



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