血と砂

木ノ葉の里。

演習場。

**うずまきナルト**は汗だくになっていた。

目の前には
エビス。

「いいか!」

「チャクラは足の裏に集中させろ!」

ナルトが叫ぶ。

「言われなくてもやってるってばよ!!」

木登り修行。

基本だが、ナルトは苦戦していた。

エビスが額を押さえる。

「全然できてない!」

「無駄にチャクラを出しすぎだ!」

ナルトが歯を食いしばる。

「くそーー!!」

もう一度走る。

トン。

トン。

ズルッ。

「うわぁぁぁ!!」

落ちた。

エビスがため息をつく。

「基礎がなっていない……」

ナルトは地面に転がりながら叫ぶ。

「絶対できるようになるってばよ!!」

その目は真剣だった。



その頃。

木ノ葉の外れの森。

静かな場所。

そこに立っているのは
うちはオビト。

指先から血が一滴落ちる。

それが空中で止まる。

ゆっくり回転する。

赤血操術。

血が形を変える。

刃。

弾丸。

盾。

オビトはそれを操作しながら呟いた。

「……まだ足りない」

量。

速度。

精度。

張相ほどの完成度には遠い。

(まあ)

(身体が子供だしな)

血量の制限はどうしてもある。

オビトは増血丸を一つ取り出した。

口に放り込む。

少しして血の循環が良くなる。

「よし」

その瞬間。

砂が動いた。

サラ……

オビトは動かない。

振り返らずに言う。

「……何の用だ」

背後に立っていたのは

**我愛羅**だった。

赤い髪の少年。

静かな目。

我愛羅はオビトを見ている。

「お前」

低い声。

「血を使う」

オビトが振り返る。

我愛羅の砂が、わずかに揺れている。

「それがどうした」

我愛羅は静かに言う。

「俺と似ている」

沈黙。

森に風が吹く。

オビトは少しだけ笑った。

「似てるか?」

我愛羅は答える。

「血」

「殺す力」

「恐れられる力」

オビトは首を横に振った。

「違うな」

我愛羅の目が細くなる。

オビトは言う。

「俺のは」

「守るための力だ」

我愛羅は黙った。

砂が静かに揺れる。

しばらくして、我愛羅が背を向けた。

「……理解できない」

そう言って歩き去る。

オビトはその背中を見ながら呟いた。

「まあ」

「今はな」

本戦まで。

あと一ヶ月。

それぞれの修行が、静かに始まっていた。


〆栞
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