水の刃

森。

木々の間で二つの影が向かい合う。

一人は
うちはオビト。

もう一人は
薬師カブト。

少し離れた場所で
**うずまきナルト**が息を整えていた。

カブトは眼鏡を押し上げる。

「空間系の術」

「面白いですね」

オビトは静かに構える。

「帰るなら今だ」

カブトは笑う。

「それはできません」

次の瞬間。

カブトが踏み込んだ。

手が光る。

チャクラの刃。

「チャクラメス」

横薙ぎ。

だが。

オビトの身体はすり抜ける。

スッ――

刃が空を切る。

カブトの眉がわずかに動く。

「なるほど」

「完全なすり抜けですか」

次の瞬間。

オビトの拳が飛ぶ。

ドンッ!!

カブトが後方へ跳ぶ。

着地。

そしてすぐに印を結ぶ。

「掌仙術」

緑のチャクラが手に灯る。

傷が塞がる。

ナルトが目を見開く。

「治した!?」

カブトは微笑む。

「医療忍者ですから」

オビトは静かに言う。

「厄介だな」

カブトが地面を蹴る。

高速の踏み込み。

チャクラメス。

連続斬撃。

だが――

当たらない。

すべてすり抜ける。

カブトは分析していた。

(攻撃の瞬間だけ実体化している)

(つまり――)

その瞬間を狙う。

カブトの足が地面を蹴る。

背後。

チャクラメスが振り下ろされる。

だが。

オビトは振り向かない。

代わりに。

指を鳴らした。

ピチャン――

空気に水滴が浮かぶ。

森の湿気。

空気中の水分。

それらが集まり。

宙に浮く。

カブトの目が細くなる。

「水遁?」

だが違う。

水が――

鋭く尖る。

まるで血液のように。

意志を持つように。

「……?」

カブトが呟く。

「水が……動いている?」

オビトは言う。

「触るな」

次の瞬間。

水の刃が走る。

ヒュンッ!!

カブトが跳ぶ。

だが。

水は追う。

曲がる。

加速する。

ドンッ!!

カブトの肩を掠めた。

血が飛ぶ。

ナルトが驚く。

「水が……追いかけた!?」

オビトは静かに言う。

「逃げても無駄だ」

水が再び集まる。

刃となる。

カブトは後退しながら笑った。

「面白い」

「水を血液のように操る……?」

「そんな水遁」

「聞いたことがない」

その瞬間。

水の刃が三本。

カブトへ突き刺さる。

ドンッ!

ドンッ!

ドンッ!

カブトが吹き飛んだ。

木に叩きつけられる。

「がはっ……!」

血が流れる。

だが。

カブトはすぐ掌仙術を使う。

緑の光。

傷が塞がる。

カブトは息を吐いた。

「危ない」

「本気でしたね」

その時。

森の奥から声。

「そこまでだ」

木の上から降りた男。

白い髪。

赤い装束。

自来也。

ナルトが叫ぶ。

「エロ仙人!」

その後ろ。

もう一人の影。

金髪の女。

綱手。

綱手は周囲を見渡す。

倒れた木。

抉れた地面。

そして。

宙に浮く水。

「……なんだこれは」

オビトは肩をすくめた。

「水だ」

ナルトがツッコむ。

「見れば分かるってばよ!」

カブトは笑った。

「今日はここまでですね」

「あなた」

オビトを見る。

「本当に面白い」

カブトは煙玉を投げた。

バンッ!

煙。

姿が消える。

自来也が舌打ちする。

「逃げたか」

ナルトは拳を握る。

「くそっ!」

その時。

ナルトの手の中。

ゴムボール。

チャクラが回る。

回転。

圧縮。

歪む。

ボンッ!!

ボールが破裂した。

ナルトが目を見開く。

「……できた」

自来也が笑う。

「第二段階クリアだ」

ナルトの手のひらに。

小さなチャクラの渦が生まれた。

螺旋。

回転。

新たな力。

螺旋丸が――

完成へ近づく。


〆栞
PREV  |  NEXT
LIST
#novel#