月夜のお酒は格別ね

銀さんだけひとりで来てほしいって言われて行く。
(なんだなんだ?もしかして…)
※妄想
『あの、ごめんなさい…依頼料がまだ用意出来てなくて…でも、その代わりに私の体を…』
(ひゃァァァァァ!やっべェって!いやいやいや、いくら客が金を払えないからといってもそういうのはよくない。うんうん、よくない。やめるんだ。落ち着け銀さん。
で、でも……あいつなかなかにイイ女…ってちっがァァァう!!頑張れ、頑張るんだ俺の理性!)

「こちらのお座敷です」
「こ、こんばんは〜」
「い、いらっしゃい、ませ……あの、白百合大夫と申します。い、いい以後、よし、よしなに…」
「………」
「………」(ずっと手をついて頭を下げたまま)
「……あ、あの、太夫…?」
「は、はい」
「とりあえず顔、上げようか」
「はい」(顔を上げる)
座ってお話をはじめる
「たどたどしいにもほどがあるぜ。あんなんじゃ客も来て早々に興ざめしちまうよ」
「そうなの…?」
「そうそう、どんだけ色白で美人でももっとこう色気がないとな」
「いろ、け?」
「ようはエロさだエロさ!」
「……エロさ…エロさって何?」
「は?」(やべェ…こいつ何にも知らねェんだった)
「ごめんなさい、私分からないことがたくさんあって…教えてもらえると助かる」
「あ、あぁ〜いやエロさってのはな〜…」(余計なこと教えたら死神に殺されるぅぅぅ!ど、どどどうしよう…!)
「?こういうこと?」(着物の襟をずりさげて肩を出す)
「アァァァァ!!太夫!何しちゃってんの!?」
「困ったらこうすればだいたいのお客は喜ぶって月詠と日輪が…」
(あいつら何教えちゃってんの!?価値があるとか貴重とか今までめっっっちゃ大事にしてきたくせになんで寄りにもよってこんなん教えちゃったかな!?
もっと他のあんだろうがァァァ!!)
「女の子がふしだらなことしちゃいけませんっ!あぁ〜まずはお酌だ」
「お酌…?お酒をつぐこと?」
「そう、お酒!はい、太夫お酌して!」
「あっ、は、はい」
そこから色々銀さんが教える。
「おいおい、こんなんでよく客取れてるな」
「それが…」
「?」
「いつもうまくいかなくて…お客さん怒って帰っちゃうの」
(そりゃそうだろうな!)
「だから、その…依頼料もまだ準備出来てなくて…」
(そんなことだろうと思ったぜ)
「まぁ、そのうち払ってくれりゃいいさ」
「でも、そういうわけには…」
「んなことよりもお前はまず仕事に慣れろ。この有様じゃァまともに客も取れねェだろうが。金はそのあとだ。いいか?」
「……わかった。ごめんなさい…」
「謝んなくていいからほらほら、お酌して!」
「あっ、はい」
そこから銀さんがお座敷に通うように。

「あっ、万事屋さん」
「随分と馴れ馴れしくなったな」
「?だって硬くならなくていいって言ったから…」
「あぁ、そうだったな。で、最近はどうよ。客は取れてるか?」
「うん、前よりは良くなったって、日輪が言ってた」
「そりゃよかったぜ。いや〜さすが銀さんだな〜」
「本当にありがとう」
「えっ」(不意打ちで照れる)
「あなたの……銀時さんのおかげ」
「ぎ、銀時さんって……銀時でいいって」
「でも慣れない人をいきなり名前で呼ぶのは失礼」
「慣れないってもう何回も会ってんだろ。もう知り合いだ」
「……うん、わかった。じゃあこれからは銀時って呼ぶ」
そこから少しずつ仲良くなる。

「あれ?今日、銀さんは?」
「また花蓮のところに行ったアル」
「花蓮?まさか、銀さんに彼女…!?」
「違うネ眼鏡。花蓮はあの白百合太夫のことアル」
「えっ!?あれ本名じゃなかったの!?」
「たっだいま〜」(酔っぱらった銀さん帰宅)
「うげっ、酔っぱらいのお帰りアル」
「もう銀さん、また飲み過ぎたんです………か?」
「新八?どうしたアル?」
「よぉ〜銀さんのご帰宅だぞ〜」
「ちょ、ちょっと銀さん……その人……」
「あぁ〜?」
「花蓮!なんで花蓮がいるアルか!?」
「うちに来たいっつーから連れてきちった」
「連れてきちったじゃねェよォ!!どうすんですかこれェェ!月詠さんたちにバレたら僕ら本当に殺されますよ!?」
「大丈夫、私が止める」
「そういう問題じゃないんですって!!神楽ちゃん!どうし「きゃっほー!今夜は花蓮と一緒に寝れるアル!」「えっ、神楽と一緒に寝れるの?」
「人の話を聞けェェェェ!!!」

あとで本当の真夜中の夜の街なら傘だけで歩けるねって判明。よく夜に散歩をすることになる。主に月詠、銀さん。
「白百合…いや、花蓮」
「なに?月詠」
「ぬしは変わったな」
「変わった?」
「前よりも表情がやわらかくなった」
「やわら、かく……?」
「いつか以前のように笑える日がくるといいな」
「……うん、そう、だね…」(昔を思い出す)

銀さんとも夜歩く
「月がきれい」
「今日は満月か」
「……夢みたい」
「ん?」
「まさか、誰かと外を歩ける日が来るなんて…しかも男の人と」
「そ、そうか」(なんか照れる)
「銀時」
「な、なんだ?」(ちょっと裏返る)
「私を、外に連れ出してくれてありがとう」
「!」(ちょっとだけ笑ってるのを見てどきっとする)
「銀時たちに会ってなかったら私は一生あそこで着物を縫っていたと思う。出会えてよかった。私の人生を変えてくれて、ありがとう」
「俺たちは何もしてねェよ」
「でも」
「変えたのはお前だ。お前が自分で立ち上がって歩き出したから今がある。俺たちァきっかけを与えたにすぎねェよ」


それがしばらく続いて、さぁ次はいよいよ日の元を歩こうってなって源外のところへ行く。
「ほう、まさか本当にあの夜兎がいたなんてな」
「いいから早くなんとかしろジジイ」
「なんだとォこの天パ侍!」
「天パの何が悪ィんだよ!天パ舐めんなよ!?言っとくけどな、天パは「どうでもいいから早く始めてください」
その後もいろいろやって
「これはどうだ。この布は普通の傘よりも分厚くて日光を一切通さない」
「まっ黒ですか…なんだか暑そうですね」
「黒ってのは日焼け防止にゃァうってつけなんだぜ」
「へぇ〜そうだったんですか」
「だがひとつ欠点がある」
「なんですか?」
「重い」
「うがっ」(銀さん持とうとしたけど持てなくて下ろしたら足の指に直撃)
「ひィィィィィィ!!いってェェェェ!おいジジイ!こんなんこいつが持てるわけねェ……だ、ろ……」
「うん、このくらいなら大丈夫。ん?みんなどうかしたの?」(軽々持ってる)
「……さ、さすが、夜兎、ですね…」
「お、おそろしい…」
それで帰る。
「すごい、全然肌が焼けない」
「これで目出し帽卒業ですね」

それから一応外を歩けるようになる。で、1か月くらい経ったあたり。
花蓮がさらわれる。
「花蓮がさらわれた!?」
「誰に!?」
「わ、わかりません…でも相手は天人でした」
「…もしや春雨の連中かもしれぬ…」
「なんだ、心当たりでもあんのか」
「……花蓮の父親は元春雨。師団長を務めていた男じゃ」
「!」
「じゃ、じゃあそのお父さんが…」
「いや、花蓮の父親はとうの昔に死んでおる」
「じゃあ、なんで今更!」
「……花蓮の希少価値の話はしたな」
(うなずく)
「花蓮と同じ夜兎はおそらくもういない。花蓮は他の夜兎よりも戦闘能力が高い。おそらく奴らは花蓮と同じ夜兎を増やすつもりなのじゃろう」
「!」
「ってことは…!」
「春雨の手に落ちてしまえば花蓮はこの先一生、子を産まされ続ける……ということになる」
「そんな!」
(銀さん立ち上がる)
「銀時!行くのか?」
「ようやく暗ェ箱ん中でて歩きだしたってのに、あいつァまた箱ん中に逆戻りってわけか」
「そんなの許せないアル!」

で、いろいろあって助けにいく。
「このままだと一生ここで望んでもいない人の子供を産まなきゃいけなくなるんですよ!?」
「私たちと一緒にくるネ!」
「帰りましょう!花蓮さん!」
「……ごめんなさい」
「っ、どうして!」
「もう誰にも死んでほしくないの」
「えっ」
実は昔、鳳仙が花蓮のことが欲しいと父親に言ったが父親はそれを拒み、鳳仙に殺された。母親も花蓮を護って死んだ。
「だから、もう誰にも死んでほしくない。神楽も新八も、銀時も月詠も、私の大事な人たちだから…お願い、死なないで」
「ならお前は死んでもいいってのか」
「銀さん!」
「お前、死ぬつもりだろ」
「!」
「私が助かるってことはその何倍もの人が死ぬってことになる。そんなのは嫌だ」
「勝手なこと言ってんじゃねェェ!!」
「っ」
「誰も死なせねェさ……俺が死なせやしねェ…もちろんお前もだ!」
「!」
「お前はこのまま死んでもいいのかァァ!もう二度と日の元を歩けなくなってもいいのかァァァ!」
「っ」
「自分の足で立ち上がって自分で手にした自由だろ!!易々と手放していいもんじゃねェはずだ!!」
銀さんが周りの敵を切りながらこっちへ向かってくる。
「立ち上がれェェェ!!走れェェェ!!!」
「今のお前になら出来る!!あの暗い部屋で膝抱えてた頃のお前はもうここにはいねェんだよ!前を見ろ!お前はもう……ひとりじゃねェだろうが!!」
「っ」(みんなのことが頭に浮かぶ)
「踏み出す勇気がねェなら後ろから背中押してやる!それでも歩けねェってんなら俺たちが支えてやらァ!自分からひとりになってんじゃねェェェ!」
「ぎん、とき……」
「助けを求めたって誰もお前を責めないさ。だから言え!口に出せ!でけェ声で叫んで喚け!全部俺が受け止めてやらァ!!」
「…っ、ぎ、ん……とき……」
「うおらァァァァァ!!」(敵をぶった切る)
「ぎん、とき…………銀時ィィィ!!」
「!」
「銀時!!助けてェェェェェ!!!私も……みんなと一緒に日の元を歩きたいィッ!!」
「依頼料はきっちり受け取るぜ」
がんばって戦って助ける。
それから銀さんのことが好き?っぽくなる。
銀さんによくなつく。

「花蓮〜!遊びに来たアルよ!」
「神楽、あれ?今日は銀時は?」
「銀ちゃんならまたこれね」(手の動き)
「パチンコ…?だったっけ?」
「そうそう、まったく金があっても給料全然出さないでパチンコばっかネ!いっつも「大丈夫だ、一発どかーんと勝って今までの分一括で払ってやるからよ〜」
とか言って勝ってきた試し一回もないアル」
「…ねぇ神楽」
「ん?」
「私そのパチンコ行ってみたい」

「銀さん銀さん!来た来た!」
「おぉ!マジか長谷川さん!」
「俺今日ついてるわ〜って、あれ?」
「あっ…」
「そ、そんなぁ…一瞬かよぉ…」
「まぁ、そんな日もあるさ…」
「そんな日ばっかだよォォォ!」
「銀ちゃん」
「あ?神楽?何やってんだよ、子供はこんなところに来ちゃいけません」
「銀時」
「だァかァらァ…子供はこんなところに……えっ?」
「銀時、これがパチンコっていうの?」
「なんでお前がいるんだよォォォォ!!」
お店を出てファミレス。
「なぁ銀さん、この子誰?めちゃくちゃかわいいじゃん。知り合い?紹介してくれよ〜」
「うるせぇマダオ!」
「ひ、ひどいぜ!ただ紹介してって言っただけなのに…」
「神楽!なんで連れてきたんだ!」
「花蓮が行ってみたいっていうから」
「はぁ!?」
「パチンコっていうのはうるさいのね」
「そう!うるさいしキラキラまぶしいしお前にとっちゃ毒しかないの!だからもう来ちゃだめ!わかったか!?」
(しょんぼりする)
「……じゃあ、銀時に会いたくなったらこれからどこに行けばいいの…?」
「「「……えっ」」」
「?」
(↓小声)
「おいおいおいおいちょっと銀さん!この子何!?銀さんのこと好きなんじゃないの!?」
「ま、まさかそんな!そんなわけねェだろ!まさか…」
「花蓮!ま、ままままさか…!銀ちゃんのこと…」
(オイィィィィ!!やめてェェェ!やめろ神楽ァァ!)
「?」
「銀ちゃんのこと好きアルか!?」
(ひゃァァァァ!!この子!ストレート過ぎるって!!やめてェェェ!)
「……好き?うん、私はみんなのことが好き」
(ふぅ、よ、よかったぜ…ったく、心臓に悪ィんだよなァ………って、あれ?何俺ちょっと残念がってるの??え???)
「よかったアル…銀ちゃんみたいなダメ男のことを好きになっても何にもいい事ないアルよ!だらしないしかっこよくないし甲斐性もないし足クサいし
天パだし」
「オォイ!今なっつった?天パバカにしたな?銀さんのコンプレックスバカにしただろ?」
「そんなことない」
「えっ?」
「銀時はかっこいい」
「っ!!??」
「ぎ、ぎぎぎ銀ちゃん…!」
「銀さん…!」
「いやいやいや、嘘だろ?なぁ、じょ、冗談キツいぜ」
「冗談?私は嘘なんて言ってない」
(ひゃァァァァァァァ!!!)


「銀時」
「ち、ちちちがうんですよ、太夫」
「このすけこましが!花蓮をたぶらかしおって」
(クナイぐさぐさ)
「月詠さん?お、俺本当に死んじゃうから…それに俺はたぶらかしてなんて「黙りんす」(ぐさ)
「アァァァッ!……って、痛くない?」
「っ!花蓮!」
「やめて月詠。銀時は悪くない」(クナイを素手で止めている)
「花蓮!目を覚ますでありんす!」
「?私は起きてるけど…」
「違う!こんな甲斐性もないだらしない男はやめなんし!」
「…どうしてみんな銀時のことを悪く言うの?」
「!」
「ツッキー、諦めた方がいいネ…」
「っ、しかし…!」
「月詠、その辺にしときな」
「日輪!」
「いいじゃないか、花蓮がいいと思って選んだんだ。私たちは見守ってあげようじゃないのさ」
遠目から
「またファミレスに行きたい」
「お前いっぱい食うだろ」
「私は神楽みたいにいっぱいは食べない」
「本当か…?」
「うん、1升しか食べない」
「あの?花蓮ちゃん?世間ではそれをいっぱいっていうんだよ?」
「一升っていっぱいなの?初めて知った…銀時と一緒にいると初めて知ることがたくさんあるから楽しい」
「お、おぉ…そりゃよかった…」

「ほら、なかなかいいじゃないか」
「銀ちゃん照れてるアル」
「はぁ……」

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