うさぎにお団子

「今日も銀時は来ないの?」
「銀さんなら今日は猫探しだってさ」
「猫、探し?」
「そう、逃げ出した猫を探しに行ってるんだよ」
「猫……」

「あぁ!神楽ちゃんそっち!」
「ふぉたァー!銀ちゃん!行ったアル!」
「任せろォォ!あっ!」
「あっ!何してるんですか!」
「クソッ!」
逃がしたと思っていたら…
「はい」
「おっ!」
「あっ!ありがとうございます!」
「ううん、いいの。銀時に会いに来たついでだから」
「あぁ、そうだったんですか。そう、だった…ん?」
「お前!」
「銀時、いた」
「花蓮!なんでこんなところにいるアルか?」
「日輪に今日は猫を探してるって教えてもらった。あとは」
「ワン!」
「定春に乗せてもらってきた」

「あれから銀さんにべったりだね」
「花蓮は銀ちゃんのことが好きアルよ」
「えェェェ!!それ本当なの神楽ちゃん!?」
「本当アルよ。花蓮〜」
「何?」
「花蓮は銀ちゃんのこと好きアルか?」
「うん、好き」
「ほら」
「嘘だァァァァァ!!」

「お団子食べたい」
「今度は何本食う気だよ…」
「この間みたいには食べない。20本で我慢する」
「俺のこと破産させたいのかな?俺になんか恨みでもあるのかな?」
「恨みなんてない。だって私は銀時のことが好きだもの」
「っ、あ、あのなァ…」
「?」
「好きとかなんとかそんなの簡単に言っちゃいけません。そういうのは本当に好きな人にいいなさい」
「本当に好きだから言ってるのに…」
「っ!?な、なァ…俺ァどうすりゃいいんだ?新八ィ、神楽ァ、助けてくれ〜」
「自業自得ネ」
「リア充自慢はやめてください」
「えっ、えっ?ちょっとお前ら?」
「依頼主のところには僕たちが行っておくので、あとはふたりでごゆっくり〜」
「は!?いや、嘘だろ!?新八ィィィ!神楽ァァァ!」
袖を引っ張られる。
「お団子…」
「っ、あ、あぁ、分かったよ。行くぞ」
「うん」(嬉しそうにちょっとだけ笑う)

「日輪さ〜ん……助けてくれ〜…」
「花蓮のことかい?」
「俺ァどうすりゃいいんだ〜…」
「どうするって、銀さんは花蓮のことどう思ってるんだい?」
「どうって……どう……思ってんだ?」
「好きとか嫌いとか」
「嫌い…ではねェな……好き……うーん…」
「まぁ、焦んないでゆっくり考えたらいいさ。花蓮にはあんまり急かさないようにってあたしから言っといてあげるよ」
「おぉ……」
帰り道
(好き?俺が?あいつを?まぁ、最近ちょっと笑うようになってきたし、わかんねェけど俺に懐いてるみたいだし?かわいいなって思わなくもねェけど……)
花蓮を思い出す。心臓がどきっとして
(あれ?ん??)
その日かえって寝ると…
※夢の中
他の男に絡まれてる花蓮。それを見つけた銀さん。
「っ、やめて…」
「かわいい姉ちゃん、俺たちと一緒に一杯どう?」
「お姉ちゃん確か花魁だろう?俺たちに酌してくれよ」
「い、たい…っ、離して…」
気付いたらカッとなっていた。
「おいおい、お兄さんたち」
「あ?なんだテメェ」
「嫌がる女の子を無理やり店連れてこうなんざ、いい男のすることじゃァ……ねェよ、なっ!」
ぶん殴る
「大丈夫か」
「銀、時…」
怯えてた花蓮を抱きしめたくなって抱きしめる。
「怖かっただろ。安心しろ、これからは俺がお前のこと――…」
※起きる
「っ!!!」
(な、なんだったんだ今の夢は…!おい、待てよ……俺、もしかしてあいつのこと…)

「銀ちゃん、今日お団子食べに行きたいアル!」
「おぉ〜行ってこい」
「銀ちゃんも一緒に行くアル」
「なんで俺まで行かなきゃなんねェんだよ」
「銀ちゃんも連れていかないと花蓮が寂しがるネ」
「っ!は、は!?べ、べべべ別に!俺はあいつに会いたくなんかねェし!?全ッ然会いたくねェし!?」
「銀ちゃんには聞いてないアル」
「えっ……」
(墓穴掘ったァァァァ)

ひの屋に行く。
「あら神楽ちゃんに新八くん、あら?銀さんは…」
「銀ちゃんはあっちアル」
「?」
「べ、べべべ別にあいつに会いに来たわけじゃねェし…か、神楽と新八が団子食いてェっていうから着いてきてやっただけだし。お、俺は…」
「銀時…!」
「!」
「銀時、お団子食べに来たの?だったら一緒に「はぁ!?べ、別に団子食いに来たわけじゃねェし!?俺ァ、ただお前に会いに…あっ」
「えっ、私に会いに?」
「あ、いや……えっと…これは…」
「あぁ〜悪いねみんな、今日は材料が切れちゃったからお店閉めるわ」
「はっ!?おい!嘘だろ!」
「あぁ〜それは仕方ないですね」
「じゃあ、また明日来るアル」
「僕と神楽ちゃん、先に帰ってますね」
「ちょ、おい!お前ら!」
(嘘だろォォォォ!勘ッ弁してくれェェェ!)
「…銀時、会いに、来てくれたの?」
「うっ」
「……」
(花蓮が黙っちゃったからそっと横目で見る)
「嬉しい。ありがとう」
笑うからどきっとしちゃう。ここでもう
(こりゃ認めざるを得ねェってか…)
「……団子、食い行くかァ」
「!」
(横目で花蓮を見る)
「うん、行く」
めでたくくっつく?

それからたまに会いに来る銀さん
「よぉ」
「花蓮なら部屋にいるよ」
「誰もあいつのことなんか言ってねェだろ」
「ふふっ、花蓮に会いに来たって顔に書いてるよ」
「っ、団子だ!団子食いに来たんだ…!」
「はいよ、団子ね。花蓮〜!銀さんがお団子食べに来たよ〜!」
「ばっ、余計なことしてんじゃねェよ!」

最初は花蓮→→→→→銀さんだったけど
次第に花蓮←←←←←銀さんになってくる。

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