お酌をしてさしあげましょう

神威から花蓮のことを聞く。
「お兄さん知らないだろうから教えてあげるよ」
「あ?どういうことだ?」
「あの子はね、夜兎の中でも特別。普通の夜兎よりも肌が弱く、身体面に置いても繊細だ。そして――…
戦闘能力が高い上に、血への執着も異常に強い。一度本能が目覚めてしまえばそれを己で制御するのはほぼ不可能。出来たとしてもその繊細さ故に戦えば戦うだけ
体は傷つき、寿命は縮む。哀れだよね。己の本能のままに生きてしまえば己を傷つけ死を早めるだなんて。残念だねお兄さん。彼女はもう、手遅れだよ」
「っ!!」
「ねぇ、彼女みたいな特別な夜兎のことをなんて言うか知ってる?」
「知るか」
「俺たちよりも白くもろい。白い兎。白兎(しらと)って言うんだよ。花蓮ちゃん?だっけか?彼女にぴったりだね。かわいい白兎ちゃん」
「てめェェェ!!!」
「おっと」
「馬鹿にするのも大概にしろよ……ッ」


伊三郎に会う

「おやおや、これは」
「げっ、なんでおめぇがこんなとこにいんだよ」
「お買い物ですか?奇遇ですね私たちも今ドーナツを買いに……ん?ほう……あなた、なかなかやりますね」
「は?ばっ、ちがっ!こいつは!」
「銀時、だれ?」
「申し訳ありません。自己紹介が遅れてしまいましたね。エリートなのに。
私、見廻組長官の佐々木異三郎と申します。こちらは副長の…信女さん、今買ってあげますから。自己紹介を」
「今井信女…」
「花蓮です」
「では早速ですがお嬢さん。メアド、交換し」
「ほらほら行くぞ!」
「ぎ、銀時…!待って、あの人何か言いかけて…」
「聞かなくていいんだよ!」
「で、でも…」
「あら……行っちゃいました」

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