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きよしこのよる



「ミンウさま。明日はクリスマスですよ。」

「そうだな。」

「そうだなって、それだけですか?」


 私たちは1日の仕事を終えた後、茶を飲んでいた。
 マリアの今日1日の業務報告を聞き、そのまま私の部屋で茶会のようなものが始まったのだ。彼女は慣れない私の部屋で多少緊張していたようだが、次第におしゃべりに夢中になってきたらしい。嬉々として、クリスマスがいかに楽しそうなものだということを私に伝えようとしている。

 マリアも私と同じミシディアの人間だ。まだ若く、国を出て間もない彼女には、異国の習慣が目新しく映るのだろう。
 私は熱い茶を啜り、一口飲み込んだ。そして、ゆったりとソファーに預けていた我が身を起こす。


「我々は、クリスチャンではないからね。」

「それはそうですが……何だか楽しそうなのに。今、フィン中がとっても華やかですよ。」

「マリア。君は華やかで楽しそうなだけで参加するのか? それはキリシタンやその信徒達、さらにはミシディアの神にも無礼だぞ。」


 私がそう言うと、マリアはハッとしたような顔をした。そして、しまった、というような暗い顔をして下を向く。湯飲みを両手できゅっと包んで、ぼそぼそと言った。


「うう、ごめんなさい。返す言葉もありません……。」


 私はマリアの表情があまりにもくるくる変わることに、思わず笑みがこぼれた。素直で真面目なのは彼女の長所だ。
 私は持っていた湯飲みをサイドテーブルに置き、隣に座る彼女に向き直る。


「ふふっ。そうしょげるな。余計なことは考えないで、修行に励みなさい。」

「でも。」

「でも? 」


 まだ納諦めきれないのか、マリアはじっと私を見る。


「フィンではクリスマスの朝、サンタクロースという老人が良い子にだけに贈り物を届けてくれるそうです。」

「ああ、そうらしいね。面白い風習だ。」

「あの、ミンウさま。わたし、ちゃんと良い子でしょうか。明日、わたしにもサンタクロースさまは来てくださるでしょうか。」


 マリアはさも心配そうな顔をして私に聞く。恐らく、彼女はサンタクロースとかいう者の存在を本気で信じているのだろう。街で仕入れた情報なのだろうが、どうやらその正体までは知らないらしい。

 本来、情報というものは取捨選択してこそ価値があるはずだ。しかし、マリアはどうも鵜呑みにしてしまう。素直過ぎるところが、彼女の短所とも言えよう。
 マリアはもう子供ではない。かといって大人でもない。微妙な年頃だが、やや子供っぽい所がある。本来なら、そういった類の事をそろそろ理解できなければならないはずだ。それはわたしの心配の種の一つだった。
 しかし、それがまた彼女の可愛いらしさでもある。そしてそれを気に入り、甘やかしているのは他でもない私かもしれない。


「そうだな……。君は大変良い娘だ。しかし、もう子供ではないだろう。」

「え……? 」


 マリアは丸い大きな目を、更に大きく見開いた。青い瞳が揺れる。


「サンタクロースとやらは、子供にだけ贈り物をするのだろう? 」

「……はい。」


 マリアは残念そうに、悲しい顔をしてうつむいてしまった。
 年齢はどうしようもない。けれど、こんなに気落ちさせることは私の本意でもない。私は、彼女の頭にぽん、と手を置いた。マリアが不思議そうに私を見上げる。


「私はね、マリア。君が子供でなくなるの待っているのだよ。」


 私はマリアの幾分赤く染まった頬に口付けて、そっと彼女の髪を撫でた。その色は、蝋燭の光を受けているせいだけではないだろう。みるみるうちにマリアは首まで赤く染まっていく。
 そんなマリアを尻目に、私は湯飲みに手を伸ばす。そして、何食わぬ顔で残りの茶を飲み干した。

20141224

ミシディアの神なんて捏造です
キリシタンとかなんとかって言い方もイメージだけで書いてます

フィンがキリスト教徒の国かどうかも怪しいです
でも、ヒルダさまといいフリオといい、あの辺みんな欧米人系統です
なので違和感はないかな、と
ミンウさまはアジアか中東かみたいな混ざってややこしい感じなので、少なくともキリスト教徒ではなさそうだと思う
じゃあ何だと言われるとどれも違う気がするから、ここはひとつミシディア文化を捏造しちゃおうと

ミシディアの神よー!みたいな
雨乞いとかしたらテキメンだと思う
魔法の神様だろうし、きっと

なんて思ったけど、どんどんクリスマスから離れていくのでその辺はボツです



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