あの音色


もう一度

別の世界で

会いたいよ

この世界から

消えたとしても





審判者を倒して満身創痍で魔導院に戻って来た。そしていつもの教室で僕たちはみんなで息を引き取った。僕たち0組は最後を自分たちで選んだ。そして散った。

もう一度だけあの音色を聴きたい。
何処とも知れない世界で僕は静かに願った。
僕は力を失ったカードを右手に、彼女を探して彷徨っていた。

もう一度彼女の音色を聴きたい。
彼女はいったい何処を彷徨っているのだろう。
ずっと探してる。
彼女に会いたい。

だけど僕はもう眠くなってきた。
気持ちよくなってきた…
このまま眠ろうか




『エースさん… エースさん…』

誰かが僕を呼んでいる。僕は気怠い手を取られて歩き始める。手が温かくて、少し震えてる。朦朧とした意識の中で僕はなんとか誰かに着いていく。

「これは…」

美しい、透き通るようなフルートのセレナーデが頭に流れてくる。

「そうか、君だったのか」

心地よい音色で僕を呼んでいる。
そうだ、デュースが僕を呼んでいる。

『おかえりなさい、エースさん』

少し震えたデュースの声が僕を導く。

「そんなに緊張しなくてもいいのに」
僕は体を起こしてデュースの体をそっと抱きしめた。デュースは暫く何も言わず、じっと身を委ねた。柔らかく温かい。

『さあ、皆さんが待ってますよ』
デュースに導かれて明るい道を進む。やがて賑やかな声が聞こえてくる。

『おかえり、エース』

みんな一緒だ。0組のみんなが僕を待っていた。感極まって飛び込みたくなった。



ありがとうデュース、みんな

僕は君と、みんなと一緒でよかった

願わくば、次に生まれ変わっても同じ世界に産まれますように


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