『私とヴィグナちゃん』
「ヴィグナちゃん防音室欲しいって言ってたよね?」
「防音室があったらいいなって思って別に無理じいしてる訳じゃないのよ!!」
「いやいや違うんだよ、シエスタの騒動でお礼にって色々もらったんだ〜。ちょっときてみて。」
のほほんと気の抜けたような彼女はこのロドスの一人だ。ドクターに弟子入りしたとかなんとかで事実は明らかではないけどもひよこのようにヴィグナちゃんとついて回ってはなにかと関わってくる。彼女に手を引かれるままロドスの基地内を進む
「防音室じゃなくて休憩室じゃない。」
「がっかりしないでよ、これからなんだから〜」
頼もう〜とのんきな声と共にドアが開く。いつも見慣れた休憩室…ではなくまるで音楽スタジオのような部屋だった
「ギターがいっぱい…!」
「ドクターさんも休憩室改造していいっていってくれたから寂しかったしスタジオみたいにしちゃった〜、どうかな?」
思わず声が漏れてしまう。あちこち見て回り興奮が冷めきらない。
「すごい、すごいわ!」
「これでヴィグナちゃんのギターの練習もはかどるよね〜、私も一度聞いてみたかったんだ。」
そういえば彼女は歌を歌うのは好きだが楽器は全然だと言っていたのを思い出す。どこからか取り出してきた縦笛で音楽を弾いていたがその腕前は微妙…としか言い難かった。通りすがりのエンカクもあまりの酷さに顔をしかめて去っていったのは最近の話である
「貴女もよ、一緒に練習するの。」
「えっ!?」
「努力を怠らなければなんだってできるわ!!ギターだって練習すればできるわよ。」
「いやいや、絶対無理だって!」
「そう決めつけるからよ、いい?音楽は自由よ。だから貴女が思うままに弾くのよ。私が教えるのはきっかけに過ぎないわ。」
「わかった、頑張ります…!」
それからというもののロドスの休憩室からスタジオとなった一室からはまだ慣れてないギターの弱い音と軽やかで強い音と少女達の笑い声が聞こえるようになった
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