輪郭はぼやけて(ノアくん夢)


「ラカムとまたであってグランサイファーに乗ってから思い出したことがあってね。」

グランサイファーに乗る星晶獣のノアはラカムにそういった

「なんだ?」

「数年くらい前の話だ。ガロンゾにいた頃ある一人の女の子と出会ったんだ。彼女も君と同じように迷子になっていてね。」

懐かしそうに語られる話は続く



「ノアくんはじゃあ星晶獣なのね、昔おばあ様から神様みたいな人間と違う方がいられることを聞いたことがあるわ。」

少女は笑う。目が隠れていても口元だけでその表情がわかるほど表情豊かだった。迷子になっていた彼女を助けたのがきっかけで時々よく話をしていた

「どうかしたのかい?」

「艇造りの星晶獣なのでしょう、ノアくん。」

「ああ、そういったよ。」

「あのね、私が大きくなったらノアくんのつくった艇に乗せてくださらないかしら。一度だけでいいの!私の目は悪いけれど……ずっと乗ってみたかったの。」

いいよとは言えなかった。ガロンゾで約束すれば星晶獣ミスラの力が働く。この約束がどういう風に作用するかはわからない。ラカムと会った後に彼女にあったからミスラの力についてよく理解していた

それに彼女は生まれつき目が悪い。物の輪郭がぼやけて見える程度で日々を暮らしている。いつかガロンゾを離れるかもしれない幼い少女を縛り付ける気にはならなかった

どういう返答をしようか

「……答えはそうだな、いいよとは言えない。」

「……どうして、ダメなの?私がまだ子供だから?」

指を彼女の口元にあてる

「もう少しよく考えてごらん。ナナシ」

「ずるいわ、こんな時だけ名前呼びだなんて!ぼやけて見えるけども…私がドキドキしてしまうのわかってしているでしょう。」

先伸ばしにした。星晶獣として随分長く生きているのに簡単にいい答えが見つからなくて

「今度よく考えてお話したときはノアくんに必ずいいよって言ってもらいますわ。また今度〜とか同じようによく考えてとか逃げたら許しませんわ!」

「面白いね、ナナシ。言われなくてもそんなことしないよ。」


僕を探しては訪れていた彼女との話はこんな風に何年か続いた。ある日、目を治すためにガロンゾを出ると僕に伝えにきてくれた。また必ず会うと言う彼女からは大粒の涙が落ちていた





「彼女が目を治したかはわからないけどもあの時ガロンゾで約束をしなくてよかったって思ってる反面…大人になっているだろう彼女の姿を見てたい気もするんだ。」

「会えるんじゃねぇか?団長は色んな島に回ってるし可能性はあるだろ。」

「そうだといいな。」

今度は彼女の口から艇に乗りたい聞いた約束をちゃんと守っていいよって言ってあげれるだろうか























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