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「シニー、こちらはトリッシュ・ウナ。ぼくらの友人だよ。トリッシュ、彼女は……」

 言われた通り早起きをしてウーゴと早めにアジトへと向かうと、朝からアジトの中が騒がしくて……何でか皆どこかウキウキとしていて。そのままジョルノの部屋へと入ると中にはジョルノとミスタさん、ポルナレフさんが既にいて、誰かを囲んで楽しそうに話をしていた。
 中心にいるのはスタイルが良くて髪の毛がふわふわした、ジョルノと似た感じのキラキラを纏った凄く美人な女の子。誰だろうと眺めていたらジョルノは私に気が付いて、話をやめると早速女の子を紹介してくれる。
 女の子だ。こんな男ばかりのアジトに女の子がいる。しかも可愛くてスタイルがいい……ジョルノってはいつこんな素敵な子と友達になんてなっていたのか……ここにいるっていうことは私が眠っている間だよね?ずるい。

「彼女は前のボスの娘だよ。」

 ジョルノめと思っていたら横にいたウーゴが、彼女の正体について私に教えてくれる。
 前のボス……っていうことは、ジョルノのある意味先代?最低な奴だったってミスタさんが言っていた。家族だろうと自分の邪魔をする奴は絶対に排除する奴だって。家族ってあの女の子のことを言っていたのか。会ったことはないけれど私の両親もその前のボスの時に消されたし、ちょっと複雑ではある。

「ブチャラティとアバッキオとナランチャ……もちろんミスタとジョジョが命をかけて守った女の子だ。」

 そう言いながらウーゴは彼女の方を見る。その表情はどこか誇らしそうで柔らかい。

「そっかぁ……」

 どんなことがあって今があるのかは分からないけれど、あの子はあのもういない三人の生きた証なんだろうな。守り抜いたってそういうことなんじゃないかなと勝手に思う。
 客人っていうのはそんな皆にとって大事な人。だったら私にとっても大事な人だし大事にしないといけない人だ。そもそも彼女の親がしたこととか彼女には全く関係ないことだろうし、気にしても無駄だよね。

「女の子がこの空間にいて心強いわ。よろしくね、シニストラ。」

 女の子……トリッシュちゃんは私の前に立つと、手を差し出してそのまま握手をしてくれる。

(柔らかい……!)

 久しぶりの女の子の手だった。もう長いこと男性に囲まれた生活をしていたせいか、手を握られただけで感極まって泣きそう……だってこんなふわっとした感触とかしないもんな、皆の手ゴツゴツだもんな!

「よろしくね!トリッシュちゃん!」

 泣きたい衝動を堪えながら、私も握られたトリッシュちゃんの手を握り返す。
 女の子がこの空間にいる。それは心強いことだった。女子寮で生活をしていた時は女の子に囲まれているように見えたけれど、実際は周りとは違う時間割の中にいたしアジトから寮に戻っても皆寝静まっていたしで、別に囲まれたような生活はしていない。もう長いこと女の子を知らなかったような気さえする。女の子なのに女の子を知らないとか何か虚しい。

(世界が明るく見える!)

 明るくというより、華やか。こんな美人さんと知り合えるだなんて今日はめちゃくちゃ最高だった。
 そして今日は仕事らしい仕事はないらしい。ジョルノはちょっとお疲れらしく寝室へ少しだけ休みに行ったし、ミスタさんは銃の整備をしてもらうために街に向かって、ウーゴはポルナレフさんと何やら難しい話をし始めるしで皆今日は自由にしている。私とトリッシュちゃんはソファに座って雑談をしていたけれど、途中でこの空間に飽きて外に出てはアジトの庭の木陰に座りつつ、ゆっくりといろんな話をする。

「トリッシュちゃんは歌手なんだ?」
「ええ、今度CDが出るの。」
「凄い〜!絶対買わなくちゃ!」

 世間に一度は置いてかれてしまっているせいか、結構表の事情は把握できていない。トリッシュちゃんが有名な人だったことも知らないし、ましてや今女子の間でブームになっているものすら分かっていない。だからトリッシュちゃんの話は凄く新鮮で楽しかった。
 ギャングの世界の話と比べるとそりゃあもう天国だ。誰も消えないし新開発の拳銃の話題も出ない。気配の消し方とかナイフの握り方、拳銃の使い方だなんていう明らかにどす黒い内容は出て来ないし……ひだまりの中でこんな平和な会話が出来るだなんて、もう無理なことかと思っていたから夢を見ているような気分。いつもこうだったらいいのにとか思う。

「ところでシニストラ……」

 この幸せな空間にずっと浸っていたい……そう思った矢先、トリッシュちゃんは突然思い出したかのように話を振ってくる。

「あの中で誰か好きな人とかいたりするのかしら?」
「え、」

 その顔は少し意地悪だった。
 本当に突然過ぎる。あまりにもぶっ飛びすぎだ。私の表情筋は時が止まったかのようにカチカチに固まって、頭の中で「好きな人」という言葉を繰り返した。
 好きな人、とは……どっちだ?トリッシュちゃんはどっちのことを言っているんだ?
 ライクだったら皆好き。ジョルノもミスタさんもウーゴもポルナレフさんも皆優しくしてくれるもんな。でもラブだったらと言われると、それは全く答えることが出来ない。

「ジョルノはあなたのことを大切な友人だと言っていたわ。ワキ……いや、ミスタは大事な部下だと言っていたし、ポルナレフさんは娘みたいだって。フーゴは幼なじみって言っていたわね……あなたにとってみんなはどう見えているのかしら?」

 トリッシュちゃんは付け足すように、皆が思う私の印象を教えてくれる。
 うーん、これはライク的な意味で捉えてもいいのかな?皆の意見?もどちらかといえばライクな方だろうし……

「ジョルノは大切な友達だよ。」

 ジョルノは頼りになる友達だ。困っていると呆れながらも助けてくれる。たまに適当になるけれど、基本優しいから好き。

「ミスタさんは私の上司。」

 ミスタさんは頼りになる上司。褒めて私を伸ばしてくれる。連携が大事な仕事だから基本一緒に行動をしているし、話も合うから一緒にいて楽しい。

「ポルナレフさんは保護者なイメージで、」

 ポルナレフさんはよく私のことを気にかけてくれる。皆が分かってくれない時とか一人だけ分かってくれるし……優しい。

「ウーゴは……幼なじみ。」

 ウーゴは幼なじみで間違いない。ちょっとだけ離れていた期間があったけれど、仲は最近元に戻ってきている。優しい時もあれば厳しい時もあるけれど、ご飯を食べている時の顔が最近はちょっと可愛いし一緒にいて飽きない。

「皆好きだよ?」

 ライクとしてなら本当にどこまでも好き。嫌いになる要素だなんてどこにもない。好き以外なにものでもないと思う。

「そう、好きなのね?」

 トリッシュちゃんは私の答えを聞くと、満足そうな笑顔を浮かべる。
 よかった、ちゃんと求められていたことをしっかり言えていたみたい。当たり障りもないことしか言っていないけれど、満足出来てくれたならよかっ

「でも異性としてだったらどう?」

たと思っていたけれど、トリッシュちゃんは今度は当たり障りに答えられない方を訊いてきて。笑顔だった私の表情筋が再び固まってゆく錯覚を覚える。

「え?は??」

 おいおいライクの意味だけじゃなくてそっちも訊いちゃうの?ラブの方も?なんてことだ……困るを通り越して乾いた笑い声が出てきそう。

「そういう風には考えたことないかなぁ……」

 異性としては考えたことがない。ふとした拍子に異性との違いを感じはするけれど、この世界はそういうものとは無縁だから感じてもそれは一瞬だ。女でも抗争はするし女でも男性と同じ仕事をする。男尊女卑はどこにもない。その世界でそんな甘酸っぱい感情を持ち合わせる余裕だなんてどこにもないんだ。

「それに恋愛とかしたことないし、どういうものか分からない。」

 そもそもの話だけれど今の今まで異性に恋愛感情的なものを抱いたことがない。そもそもラブの方の意味の好きってどういうものなのかも分からない。友達の話を聞いても理解が出来なかった。何て言うか、相手を見た時ドキドキするって話を聞いた時馬鹿丸出しに大丈夫?って心配したら皆に爆笑された。笑うことないだろうに……

「まぁ、こんな世界にいたらそういう感情は必要だとは思えないかもしれないわね。」

 昔の失態を思い出して恥ずかしさのあまりに下を向く。緑の芝生だけを見ていると、横にいるトリッシュちゃんは深く息を吐いて私の言葉に納得をしてくれた。

「その人と一緒にいると幸せとか、手が触れるとドキドキするとか、相手がカッコよく見えたりキスしたいって思ったり……あなた達はそんな気持ちをじっくりと味わえるような世界にはいないもの。無理もないわよ。」
「……」

 トリッシュちゃんは分かってくれている。でも敢えてそういうことを訊いてきた。多分皆のことが心配なんだろうな……トリッシュちゃんは一般的な幸せを皆に望んでいるのかもしれない。

(恋するとそういう風に感じるのか……)

 一緒にいると幸せ。それは皆といれば感じられる。手が触れるとドキドキする……それはまだ私は感じたことがないように思う。皆カッコイイと思うけれど、だからってキスしたいとかは絶対まだ抱いたことがない。まずそういう風に見られない。

「……でも私、今幸せだよ?」

 恋愛は知らないけれど、誰かのことをそういう風に思うにはどのくらい時間がかかるかは分からないけれど、今感じているままの幸せがあればいいと思う。

「そりゃあ女の子だからいつかは好きな人と……って思うけど、幸せって恋愛だけじゃないもんね。仕事でもとにかく風を切って走れればもう既に幸せだし。」

 私の幸せはこの足で走ること。それが出来る限り私はずっと幸せでいられるし幸せを感じられる。

「分かる。あたしも歌ってる時は幸せよ。」
「本当?私達って実は仕事人間なのかもね。」
「ふふ、言えてるわ。」

 トリッシュちゃんの幸せも私の幸せも仕事にはなっているけれど、それは仕事じゃなくても楽しめるもの。例えばその世界を抜け出すようになっても、声があれば歌えるし、足があれば走れる。つまりどこまでも幸せでいられる。

「……でもいつか、この街が平和になってあなた達が普通の世界に戻れたら、」

 二人で笑い合っていると、トリッシュちゃんは話を戻してから空を見上げる。

「一緒にいたいと思える人と愛し合って欲しいとあたしは思うわ。」

 どこまでも青い。果てしなく青い。トリッシュちゃんの言葉も果てしないことのほうに思えるけれど、何となく私も思う。

「私もそうなって欲しいって思うよ。」

 ジョルノもミスタさんも、ウーゴもポルナレフさんも。平和になったら誰かと愛して家族になってくれたらいいなって思うよ。


 トリッシュちゃんは夕方になるとお迎えが来て帰ってしまい、アジトの中は再び男性まみれの空間と化してしまう。

「トリッシュちゃんが恋しい〜!」

 あっという間の時間だった。ジョルノとかトリッシュちゃんが帰ってくるタイミングで戻ってきたし、ミスタさんはトリッシュちゃんが帰ってから戻ってきて、ウーゴはポルナレフさんの中にいたらしく、皆が揃ってからいきなり現れた。皆が揃うと凄く女の子が恋しくなる……トリッシュちゃんは歌手活動で忙しいから、次に会えるのはいつになるか分からない。電話番号の交換をしておけばよかったかな……いやでも電話番号を知ってしまったらきっと毎日電話をしてトリッシュちゃんに迷惑をかけてしまう。我慢だ……!

「トリッシュと仲良くなれたみたいでよかったよ。」

 ソファの上で悶々としていると、目の前に座って優雅にプリンを食べているジョルノは笑顔で私に話しかけてくる。

「女の子がそろそろ恋しいとかおじさんみたいなことを言いそうだなって思ったから彼女を呼んだんだ。トリッシュはぼくらと同い年だし、シニーは絶対に気に入ると思って。」
「おじさん言うな。でもお気遣いありがとう!」

 悔しいけれど確かに女の子が恋しくはあった。同級生は皆高校に進学しちゃってもういないし、そもそも裏社会で生きているからもう会うことすら叶わない。だから久しぶりに女の子と触れ合えたのは凄く幸せなひと時だったのは確かだ。
 でもそうか……ジョルノってば私のことを気にかけてくれていたんだ?でも普通分からないよね、女の子が恋しくなってる女子の気持ちとか。たまにジョルノが怖いな。

「シニー、今日はもう帰るぞ。」

 何とも言えず黙っていたら、ポルナレフさんとの話が終わったウーゴが声をかけてくる。

「はーい……」

 あっという間だった今日ももう終わりだ。ご褒美を貰った気分だけれどお別れしちゃったのが残念……いや、残念だけれど会える日がまた来るよね?だったら残念がるのも勿体ないし、また会える日を楽しみにしていないとトリッシュちゃんにもジョルノにも失礼になっちゃう。

「今日は本当にありがとね、ジョルノ。皆さんもお疲れ様です。」
「お疲れシニストラ〜」
「ゆっくり休んでくれ。」

 私は席を立つとジョルノとミスタさん、ポルナレフさんに挨拶をしてからウーゴと一緒に部屋の外に出る。
 ウーゴと一緒に帰るのは慣れてきた。別に合わせて帰ることもないとは思うけれど、しっかり者のウーゴは誠実っぽくいつだって私に合わせて帰ってくれる。多分ジョルノに言われたんじゃないかなぁ……一緒に帰れって。だから従っているのだと思う。

「ウーゴ、」
「ん?」

 廊下を歩きながら今日のトリッシュちゃんとの話を思い出して、ウーゴに訊こうと思って名前を呼ぶ。

(私と帰るの嫌じゃない?)

 ウーゴは振り返って私を見ていた。でも視線がぶつかると急にさっきまであったはずの勇気が消えて、声に出して言うことが出来なくなる。
 訊かなくたって分かるよ。嫌に決まってるでしょ。だってウーゴはジョルノと仕事をしたいんだもん。私に構っている場合じゃないのは見ていて分かる。家で休まず持ち帰ってきたものを一生懸命片付けているのだから。
 黙ったまま棒立ちになって、ウーゴから目を離して下を向く。ウーゴのことだ。用もなく名前を呼んだら怒るよね?もう怒ってるかな……

「……私……迷惑に、なってないかな。」

 それに、もしそうだったらもっと怒るよね?ウーゴの幸せな時間を奪っていたとしたら。
 声を絞り出す。小さい声で聴こえないくらいの音量でそう言って、再び固まった。
 私は走ることが幸せだ。トリッシュちゃんは歌うことが幸せで、ジョルノもミスタさんも、ウーゴも皆パッショーネで働くことが生きがいな人達で……そんなウーゴの邪魔をしていたらどうしようって、急に不安になってきた。今更なことかもしれないけれど、いきなり現れた私がもし邪魔になっていたらと思い始めたら気が気じゃなくなってしまう。それにウーゴはカッコイイ人だからモテるでしょ?彼女とか作りたいんじゃないかって、好きな人がいてもおかしくないんじゃとか思えてきてしょうがない。

「迷惑になってないかって?」

 ウーゴは耳が良かったらしい。私の言葉を聴くと質問を質問で返してくる。
 何で聴こえちゃったのかなあああ!そもそもだよ、何で私は言っちゃったのって感じだよね?訊き返されたら答えなくちゃいけないじゃないか、その理由を。虚しくなったらどうするんだろう?

「えっと、あ「そんなの、今更じゃあないか。」
え?」

 何か言わなくちゃと思って口を開く。言い訳をして誤魔化そうとしたけれど、でもそれよりも先にウーゴは自分でその質問への答えを私にくれて。私は顔を上げてウーゴを見上げた。
 迷惑って言われた……平然と。サラッと。矢で射抜かれた時みたいな衝撃が胸に刺さって痛い。

「昔から振り回しておいてようやく自覚を持ったのか?本当にインベチ……いや、おかしい奴だよ。おまえは。」

 ウーゴは止まることなく私への不満を本人にぶつけてくる。呆気にとられて口が開いたままになっていたと思う。そんな私を見てウーゴは可笑しそうに笑っていた。

「洗濯物は一緒に洗っちゃうし、大丈夫って言っても朝早く起きて料理してくれるしな。」

 洗濯物はついでだから一緒に洗っちゃうし、料理だって私のついでで……いや、ウーゴの方が忙しいし栄養は必要だしで作ってみたけれど?それも迷惑だったのか?よかれと思ってやっていたのに滑っていたんだな?ちょっとショック。

「でもそのお陰があって、」

 ショックやら衝撃でカチカチに固まっていると、ウーゴは付け足すように、両手を広げてヒラヒラとジェスチャーをする。ふざけているのかと最初は思ったけれど、このジェスチャーには意味があったみたいで、

「もう仕事を持ち帰らなくて大丈夫になった。」

笑いながら嬉しいことを教えてくれた。

「昨日までやっていた仕事はジョジョからの極秘のやつだったんだ。昨日聞いたんだろ?アレの見積や法律関連のことに手を回してて……今日ポルナレフさんとの話し合いで片付いたから、気にしなくていい。」

 何となく察していたのか、ウーゴは自分がやっていた仕事に対して終わりを告げると行き場のないプラプラとさせていた手をそのまま私の頭に乗せてくる。いきなりいろんな情報を聞いたからあまりついてはいけていないけれど……気にしなくていいという言葉は理解出来たし呑み込めた。

「迷惑でも迷惑じゃなかった?」

 何だか不思議な感じがする。役に立つ迷惑をかけていたとか……お節介は身を結んでくれていたんだなって、変に感心をしてしまう。

「シニーのお節介は時間をくれるし美味しい。嫌な迷惑じゃあなかったよ。」

 私が訊ねるとウーゴは笑う。気にするなと言わんばかりに頭に乗せている手をめちゃくちゃに動かして、私の髪をぐしゃぐしゃに掻き乱してくる。

「おまえが気にしてくれたからぼくは倒れることなくやり切れたんだ。休ませてくれてありがとう。」

 まるでペット扱いだ。でも言葉は人間として扱ってくれる。

(そっかぁ……)

 ウーゴの仕事を邪魔しているような気分だったけれど、こうやって言葉を聞くと不安も吹っ飛んでしまう。してあげたいことはウーゴの身にかなったものだったって、初めてそれを知れたことは素直に嬉しい。

「役に立ってたならよかった。」

 杞憂に……は終わっていないかもしれないけれど、ダメージが少なくてよかったなって思う。訊いてみてよかった。

「じゃあ今日は持ち帰りがなくなったパーティーをしよう!美味しいもの並べてさ……肉とスパゲティーと肉と肉と……」
「肉ばっかだな。だが嫌いじゃあないよ、そういうの。」


 いつかウーゴに好きな人が出来るかもしれないけれど、許されるまではちょっとお世話になりたいし、お世話を焼きたいと思う。

 ウーゴの幸せが私のせいで壊れなきゃいいなって、守れたらいいなって。そう思うよ。




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