手を出したい攻め×抱きしめたい受けでディクジェイ「ジェイ!」 僕が声を上げると、背の高い男が振り向いた。僕の弟は少しだけ笑ってくれた。 「よう、ディッキーバード」 予想以上に太く逞しくなった腕が僕を抱きしめる。ジェイソンのハグはいつだって力が強くて、僕は少しだけ息が詰まった。 知らない間に逞しくなった弟は、多分僕より力が強い。 身長だって、いつのまにか5cmの差をつけられていた。 「久しぶり、little wing」 僕の言葉を聞いてジェイソンが少しだけ不満そうな顔をする。 「いつまでlittleだよ。もうお前よりデカいんだぞ」 「いつまでもお前は僕のlittle wingだよ」 ジェイソンの腕がスルリと僕から離れた。 「で、今日はなんの用事だ」 「ブラックマスクの件でね」 彼の表情が忌々しげに歪む。 「またアイツかよ」 「お前はなにかとアイツに縁があるよな」 「キモいこと言うんじゃねぇよ」 自分の顔より少し上にある精悍な顔を引き寄せる。頬に口付けるとすぐに顔を逸らされた。 「ここじゃなんだから僕の部屋にこないか?」 「いや、ビザロにすぐ帰るって言ったから無理」 嘘だろジェイソン。 僕の顔を見て何を思ったのか、彼は眉を顰めて言った。 「そんなこの世の終わりみてぇな顔すんなよ」 「いやだってそんなあっさり断られたらショックだろ誰だって」 「だって帰るって言っちまったんだもん」 そんな平然と言うけどさ、普通恋人に会うって行ったら朝帰り前提じゃないか? もしかしてハグだけで満足? おいおい、嘘だろ! お前だって男なんだから僕の気持ちわかるだろ? もう絶対ヤるつもりだったぞ僕は。そんな恋愛覚え立てのおままごとじゃないんだから。絶対ヤるつもりで誘ったんだぞこっちは。 考えが顔に出てしまったのか、ジェイソンはますます呆れた顔で僕を見る。 それから僕の肩を軽く叩いて笑った。 「また今度な」 その言葉忘れるなよ 次は絶対ヤるからな 今度こそ僕のリトルウイングは声を上げて笑った。 [しおりを挟む] 目次 戻る |