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下心を隠せない攻め×素直な受けでディクジェイ


「僕の家で飲まないか?」

 ディックの言葉を聞いて、ジェイソンがひとつ瞬きをした。

「今からかよ?」

「朝帰りが可能ならな。そうじゃないならまた日を改めて」

「そのセリフ女に言ったらどん引きされるだろうな」

「女の子には言わないよ。大抵あっちのほうから僕の家で飲みたいって言ってくる」

 ジェイソンの口がへの字に歪む。

「なんだそれ腹立つ」

「ジェイは自分から誘ってくれないから僕が誘った」

「下心が透けて見えるセリフだな」

「今度は絶対ヤるって言っただろ」

「訂正。女じゃなくてもどん引きだわ」

「で、今日の予定は?」

 ジェイソンがひとつため息をついて携帯電話を取り出す。少しの間作業していたかと思うとすぐに機械をポケットにしまう。

「アルテミスにメールしといた。ただし呼び出しあったらすぐ帰るかんな」

「わかった、ありがとう」

 笑顔で頷いたディックは知っている。突然の予定変更であれば、律儀なジェイソンはいつも電話で連絡をいれる。メールということは、おそらく事前に朝帰りだと告げてきたのだろう。
 ニコニコと笑うディックに何を思ったのか、ジェイソンは少し眉を顰めた後おもむろに兄へと近づいた。
 精悍な顔がディックの横目を通り、耳元へ寄せられる。

「ちゃぁんと俺のコト酔わせてくれよ、小鳥ちゃんdicky-bird?」

「アッハイヨロコンデ」

 少し屈まれたのは業腹だったが、ディックはそれよりも脳の奥が痺れるような低くて甘い声が気に入った。
 返事と同時に目の前の可愛い恋人になにを飲ませるべきか考える。最初に飲ませる酒が重要だ。バーテン時代の知識を総動員して雰囲気もアルコールも自分の望むようにコントロールできるように。

「部屋に着いたらまずシャワー浴びる?」

「ばーか」

 ディックの伸ばした手を、ジェイソンは緩やかに笑って握り返した。
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美しくなんて死ねると思うな