story.34

聖地へと行ったドフラミンゴは、裏切り行為をした父の首を持ち帰り天竜人へ戻ろうとしたが、父だけでなくドフラミンゴ達も裏切り者として扱われていて、天竜人へと戻れる事はなかったのだ。
許せなかった。ドフラミンゴは初めから望んでいた訳でなかったのに、裏切り者として扱われたのが。

その時、ドフラミンゴは誓ったのだ──

「こいつらの牛耳るこの世界を・・・!!全て破壊してやる!!!」

と。
天竜人達の弱みを握り、この世の全てを操り、破壊し、ドフラミンゴがこの世界の王になるのだ。

そう決意し、ドフラミンゴは北の果てへと戻り、トレーボル達と再び合流した。ドフラミンゴが戻ると、トレーボル達は驚いていた。

「これは奇跡だ!!お前にはやはり王の素質がある!!」
「お前はこの世界の王になるべき人間だ!!」
「ドフィ、おれ達はお前に着いて行く!!」
「おれ達に夢を見させてくれ!!」

そう次々に言って、トレーボル達4人は跪いた。
それよりもまず、ドフラミンゴには確認したい事があった。

「おれの弟は見つかったのか?」

そう、いなくなってしまった弟の事だ。弟の事を聞くと、4人はバツが悪そうに視線を逸らした。その反応に、ドフラミンゴは嫌でも察した。恐らく、弟は見つからなかったのだろう。

「・・・・・・まあいい、弟が見つからなかったのなら今からシルヴィアを探すぞ。弟はそのうち必ず見つけ出す、大事な可愛い弟だからな」
「んねーねーねー、そのシルヴィアって女はおれ達が助ける価値のある女なのかァ?」
「たかが女一人だけの為にわざわざおれ達が動くんだ、それなりの価値がなきゃなァ・・・弟の時とは訳が違う」

トレーボル達の言いたい事はわかる。弟はただそこら中を探していただけだが、どこに売られたかわからないシルヴィアを助け出す時、もしかしたら危険があるかもしれないのだ。それでも助けに行く価値があるのかと言いたいのだろう。
だが、この後のドフラミンゴの言葉で、トレーボル達は必ず助ける事に協力してくれるという自信があった。

「その心配はねェ・・・シルヴィアはあの滅んだ白狐一族の生き残りで、次期当主に選ばれた女だ」
「「「「!!!?」」」」

ドフラミンゴがそう言うと、4人は驚愕した。
それもそうだろう、あの生まれつき高い治療能力と戦闘能力を持っている白狐一族の生き残りだけでも驚きなのに、次期当主に選ばれた女だというのだから。
次期当主という事は尾が十本あるという事で、尾の数によって生まれ持った能力の強度が増すのだから、シルヴィアは相当の力を秘めた女という事になるのだ。シルヴィアは、王になるドフラミンゴの横に立つに相応しい女なのだ。

「十分に助ける価値があって、この世界の王になるおれの横に立つに相応しい女だ」
「べへへへへ〜〜〜!!鼻水出たわ!!よしわかった、その女を助けよう!!」

トレーボルがそう言うと、他の3人も頷いていた。やはりと言うべきか、予想通りの返答にドフラミンゴは満足して頷いた。

「だが、どうやって見つけるんだ・・・?宛はあるのか?」
「それなら心配ねェ、シルヴィアを連れ去った男達の顔なら覚えてる。そいつを探し出して、シルヴィアを買取った奴が誰か吐かせる」
「べっへっへっへ〜〜!!なるほどなァ!!そうと決まればそいつを探しに行こう!!」

ドフラミンゴは頷き、4人を引き連れてシルヴィアを助け出す為に動き出した。


こうして、ドフラミンゴとロシナンテ、2人はそれぞれ別の方法でシルヴィアを助ける為に動き出したのだ──

別の道を歩んだ2人だが、シルヴィアを助け出すという2人の思いは、同じだった──



TO BE CONTINUED