片想い(実際は両想い)




「私としては良かったんだけどね、向こうはそうじゃなかったみたい」
フラれちゃった、と近侍の山姥切に淹れてもらった紅茶を一口飲みながら軽く告げれば、へぇ、と興味なさそうに返された。書類から目を離さない山姥切を眺めつつ、この前現代に戻った時に買ったさくら味のクッキーに手を伸ばす。
「うん、残念。もう連絡もなさそう。……残念だなぁ」
「…………主がそこまで落ち込むとは意外だな」
「……え?別に落ち込んではないよ?」
残念だと思うのは事実だし、認めるけれど。不思議そうな表情を浮かべる私に、山姥切は溜め息を吐くと再び書類に視線を落とした。
「それで?そいつの連絡先は消したのかな」
「うん?んー……そこまではしない、かな」
「……もう連絡来ないと確信しているのにか?」
「確信してるけどだよ。私は良かったと思ってるから」
へぇ、とやっぱり山姥切は興味なさそうに呟く。――うん、それでいい。
私に恋する貴方は、貴方じゃないもの。