#25 見つめ合う

「障子くんの複製腕と障子くんの目の色って同じだね」
「確かに。でも、ま、複製って言ってんだからそりゃそうだよな」
「綺麗な黒だ」
「……綺麗と言われると少し照れくさいな」
「ま!褒め言葉ってやつだな!!」
「切島くんも綺麗な真っ赤だね。ルビーみたいキラキラしてる」
「…………」
「褒め言葉だな、切島」
「……確かに照れくせぇな、これは」
「だが、俺は苗字の瞳の色も好きだ」
「え、私? 私は障子くんと同じ黒だよ?」
「いや、こうして間近で見るとわかる。黒は黒だが、微かに蒼みがかってる」
「あ、確かに。光に反射したらよく分かるな」
「蒼かぁ……自分じゃ気づかなかったな……」
「なんつーか、夜の海みてぇだな!!綺麗だ!」
「切島にしては風情のある褒め方をするな」
「にしてはって、失礼だな!」
「だが、言い得て妙だ。苗字の瞳の色は夜の海だ」
「俺も苗字の眼の色好きだな!」
「−−−!(ち、ちかい!)」
「ずっと見てられるな!」
「……ず、ずっと見られたら困る!!」
「えーー」
「切島、その辺にしておけ。苗字の顔が真っ赤だ」
「障子くんもだからね!!」