世界の命運をかけて
急に身体に力が沸き上がり、腹部の痛みが消えていく
これは……たしか……
「レストア……?」
そう、これはジュードとリンクで繋いだ時“ダウンすると状態異常をすぐに回復させる”技だ
なら、ジュードも立ち上がって助けに来てくれたのか?って思い、ゆっくり立ち上がって周りを見ると
「え……?」
意外な人だった
「……なんだお前。立ち上がったのか?」
そこにいたのは……私との戦いに敗れて地に倒れていたリドウだった
たしかに、彼もレストアが出来る人で前に何回かサポートされた事があったけど…
「あ、あの……なんで?」
「……ったく、間違えたな」
率直な事を聞くと、彼はビズリーを回復させたかったのに間違えて近くの私にしてしまったと、軽く苦笑をしていた
……本当に間違えたのか?回復術なら色々あるのに、ダウンから回復させる術を選ぶなんて
「リル!私が一気に皆を回復させる!だから君は強力な精霊術を!」
「……わかった!」
リドウの行動について色々考えてると、ジュードに回復してもらったであろうミラがすぐにルドガーに加勢して、私に術のフォローを頼んだ
……そうだ。細かい事は後で確認すればいい。今はビズリーを止めないと!
私はミラの言葉に了解して
「……ありがと」
リドウに一言、お礼を言って術を唱え始める
少し照れながらで手短に言ったお礼にリドウは軽く「ハッ」と鼻で笑う声が聞こえた
間違えたとしてもお礼は言ってもいいじゃん……素直じゃないな。って思ったけど、それはお互い様かな
「ウンディーネ!」
さっきの出来事に対して色々考えながら詠唱してると、ミラが四大精霊のウンディーネを召喚して癒しの水の力であっという間に傷を治して体力を回復させる
そのお陰で、さっきよりは詠唱しやすくなり、めいいっぱい集中した
「凍てつく刹那にて終焉を迎えよ!――――――インブレイスエンド!!」
これは秘奥義ほどではないけど、かなり高いレベルの精霊術だ
デスティニー2でこの術を見た時にとても惹かれて、いつかやってみたいと密かに練習していたものだけど、これも秘奥義と同様にまだ実戦では試したことなかった
けど、どうやら成功したみたいだ。具現化された氷の塊がビズリーの上に出現し、そのまま落下して激しく砕けながらビズリーを氷付けにする
あまり時間稼ぎにはならないかもしれないけど……私は更に別の術も唱え、絶えず攻撃を続けた
「連牙弾っ!」
「パーティクル・ロンド!」
「舞斑雪!!」
ジュード、ミラ、ユリウスさんも全力でビズリーに負けじまいと最後の力を振り絞る
「皆、助かった!あとは俺が………はぁっ!!」
その時、ルドガーが再度フル骸殻に変身すると
槍に力を込めて構える!
「いっけぇぇぇ!!ルドガァァァァーーー!!!」
「絶対勝って……ルドガーーー!!」
私は思いっきり叫んでルドガーを応援すると、エルも身を乗り出すように自身の苦しみを二の次にして骸殻で絶対勝つようにルドガーに声援を送る!
彼は……そんな私達や見守る他の仲間の熱い視線や声を受けながら、槍をビズリーに投げつけ
「ふっ!てやっ!はっ!……うおおおおおおっ!!継牙・双針乱舞!!」
そのまま新たな秘奥義に繋いで
今までにない強烈な一撃をビズリーに与える!
そして
ルドガーの攻撃を一身に受けたビズリーは立っている事が出来ず、骸殻化が解けると
ゆっくり膝を付いて地に倒れた
つまり、私達は最後に立ち塞がったビズリーに……勝利する事が出来た。と確信した