何だかんだで大団円!



うわあああああ!!そうだった!俺はたしか、もう翔君とは会えないだろうって寂しさと敬愛の印として………!!


なんてこった!!俺はそれを忘れてのこのこ翔君の前に現れてしまった!そして、翔君が俺を見れないのは当然だ!!



「あ、いや……あの、それは……」

「まさか、その様子………忘れとったんとちゃうか?」

「えっ!?い、いいいや!忘れるわけないじゃないかっ!」



俺は咄嗟に忘れてないと言ったけど、翔君はすぐに俺の嘘を見破り「ファ〜…」と力のない溜め息を吐いた

それから何も言わずに黙り込んでしまって、嫌な沈黙が流れた



「に、にしても!」



すぐに沈黙を破ろうと、俺はまたも突発的に言葉を発した



「翔君が俺との細かい思い出までちゃんと記憶してくれてるなんて………嬉しいぞ!」



突発的だが、これも紛れなく本心から出た気持ちだ

……こうして再会する前にもしかしたら翔君は俺の事を忘れてるかもしれない。とか、俺と過ごした日々なんてあんまり記憶に留めて無いだろう。とか色々考えていた

でも、それでもいいから会いたくて探した

そしたら………まさか、こうしてあの時の別れを覚えてくれていたなんて………本当に嬉しい




「(………と、言ったものの、ますます翔君を怒らせてしまったかな?)」




更にキモッ!キモッ!と怒る翔君を想像しながら彼の様子を見ると、特に変化はなく黙ったままだ

あれ………?ちゃんと聞いてたかな?俺の言ったの聞こえたのかな?


翔君の様子を確かめようと、恐る恐る近付いて行って………俺はある事に気付いた



「(あれ?翔君って………あんなに耳が赤かったっけ?)」



天気は良いがまだ夏じゃないから、そんなに暑くはないはず。なのにあんなに真っ赤なのは、もしかして………



「(照れて……いるのか?)」



翔君が………俺の言葉に………照れた?




……………



な…………


なんて………



「なんて、憎らしいくらい可愛いんだ!!」



俺は翔君の態度と心の反応が違っている素直じゃない姿にキュンッときて、勢い余ってその後ろを向いている細い背中に抱きついた!



「ピギッ!?な、なな何や!!?いきなり何なん!?」

「翔君も成長したなぁって、お姉さん嬉しくなったんだよ!」

「フ、ファッ!?何勘違いしとるか知らんけど、君にそんなん言われる筋合いないで!!」



翔君は必死に俺を剥がそうとしながら否定する

……翔君はロードと母親との約束を最優先に考えてる人なのは分かってるし、俺の勘違いかもしれないけど……その反応が本当に嬉しい

だから、俺も負けまいと翔君の抵抗を上手く避けながら、離れないでずっとくっついていた


そしたら………




「あ!御堂筋君おはよう……って、あれ!?ユーリィさん帰って来てたんすか?」



前の方の道から……水田君と山口君がやってきた



「おぉ!二人とも久しぶり!」

「お久しぶりです。移住の方は完了しましたか?」

「ん?」



どうやら彼らの話によると、俺はIHが終わってすぐの時に留学期間が終了して母国に帰国。その後に大学を卒業して日本に就職するために資格取得やら移住準備に時間がかかっていた。………らしい



「(す、すげぇ………もう既にこの世界での“ユーリィ”の設定がそこまで出来上がっていたのか)」



我ながら凄いと感心しながら何の大学を卒業したのか?とか後で調べる必要があるな。と思った



「ファ〜……君、一応大学行っとったみたいやな」

「そうみたいだな」



翔君とそう話すと、山口君は首を傾げた



「え?何言っとんの?ユーリィさんが大学行って移住準備するまでの流れを教えてくれたのは御堂筋じゃないか」

「ファ……?」



その話しからすると俺が帰国してからも翔君と連絡取り合っており、近い内に日本に戻ってくる。と言う話も最近聞いたそうだ



「ファ〜………そうやったなぁ。いやぁこんな早よう来るとは思わんかったからなぁ」



翔君は話を合わせようとそう言って二人を納得させた



「何やかんや言って、ユーリィさん戻ってきて一番嬉しいの御堂筋とちゃう?なんや顔が赤いで」

「!?」

「あ、ほんまや!御堂筋くん、よかったっすね!」



このまま話は終わるかと思ったら、なんと山口君も水田君も翔君の顔が赤いのを指摘して俺が戻ってきたから喜んでるんだな。と楽しげに話した

じゃあ、俺が見た耳が赤かったのも………見間違えじゃないんだな



「なぁにを言っとるんや!僕がそんなキモい感情持つわけないやろ!勘違いして騒ぐなザク共!!」



なんだか俺も思わず照れていると、翔君は大きく首を振りながらそう否定した



「なぁんや。図星か」

「こら!山口!御堂筋君にあんまり失礼な事言ったら……」

「水田君も同罪やで」

「………はい。すんません」



二人をある程度叱った翔君はロードに跨がる



「さっさと行くでザク共………早く漕がんと、そこにおる男たらしに喰われてまうで」

「え!?お、男たらしって………俺!?」



まさか翔君からそう言われるなんて思ってなかった俺は、ただ驚いていると「せいぜいこの町内で迷子になって警察の世話になるとええわ」といつもの挑発に相手を小馬鹿にしたような笑いを見せた



「なっ!?なんだよー!?やっぱ素直じゃないし可愛くない!!」



水田君と山口君がたじろぎながら俺達を見てる中、俺はそう怒りながらムキになり翔君が出発したと同時に走って追いかけた


全く、翔君は相変わらずだな


別に翔君の挑発にただ乗ったわけじゃない


こうしてまた会えた嬉しさもだし、平和な日常を噛み締めるために………ね





「(本当。戻ってきてよかった!)」




俺は改めて転生に協力してくれた家族達に感謝をしながら、今新しく始まった人生を全力で走った
















「(母さん、おおきに。おかげで僕はまた…………ユーリィちゃんと会えた)」



fine