記録 シャムロックの手錠2020/08/09 わたしは心臓を大破して泣く‖それは官能の奥深くにあった。まさに野生的本能を達観したどこか、おそらく空虚で仕方のないところに。全身で自らの性を体感すると同時に、わたしはにんげんであることの切なさを感じていた。せめてヒトでありたい。ヒトであったならば、わたしは例えば狒々や猿のように野生をまっとうできたであっただろうのに。しかしわたしは哀しくもにんげんである。社会を生き、文化を生きている。こんなことならば初めから、わたしの脳味噌に理性なんかを落とさないで頂きたかったわ、かみさま。そうわたしを嘆かせるのも、正しく理性に他ならない。理性に躍らされるわたしはどこまでも自らの性に涙を流す。冬の夕暮れ、時間を理解できるわたしの賢い頭は、おなじく感情の源流を産み出して泣く。主体であり客体でもあるのだから、当たり前の話だ。ついには陽が沈むから、ちゃんとカーテンを閉めてあげてね。わたしの優しい手と指に誓う。あしたが来る前に今日を終わらせてあげようね。辿り着く場所は皆同じでも、せめて今だけは儚くて熱心な性を忘れよう。そうしてわたしは百パーセントの人間に還るから。 ;prev or next ☂top page |