記録 "6EQUJ5"のための三時のおやつ2020/11/14 服を買う女‖赤か黒か。問題はそこにあって、二者択一のオルタナティブ。彼女は二つのまったくおんなじリブのサマーニットを右手と左手に乗せ、きらんとした黒目を右手と左手にもっていく。赤か黒か。どちらもまったくおんなじに素敵。あとはもう好みの問題でしかないのは明白。女はふと思い出す。(こんなこと、つい最近もあった気がする。) 彼女は先日男二人を天秤にかけ、悩んだ末に一方を選んだのだった。優しくて誠実な男と、夢はあるけど金のない男。どちらも等しく好きと思っていたのに。赤か、黒か。(服はまたもう一方を買いに来ることができるけど、人生はそうはいかないのだわ。) 女は右手の赤を左手の黒の上に乗せ、そのまま二つをレジに運んだ。 ;prev or next ☂top page |