パロミノの心臓

2020/11/15
捨てられない女‖真夜中になると女はいつも考えるのだった。それは宇宙の行く先についてだとか、どうしたって憎い人の愛し方だとか、手を挙げて横断歩道を渡らなくなったのはいつからだっただろうかとか。それらは日によって変わった。散らかりっぱなしの部屋を掃除することよりも、彼女は熟考を選んだ。男の子の良いところについてだとか、抑えきれない本能に対する理性の働かせ方だとか、大好きなあの人をどうすればなんとも思わなくなれるのだろうかとか。それらをじっくり考えながら女は泣いた。泣けば泣くほど悲しくなって、ついには大きな声でおうおうと泣いた。(やっぱりね、) 泣きながら女は思う。(わたしはやっぱりまだ神様を捨てられない。) 今夜も結論は出なかった。


prev or next
top page